
ケアプラン文例 テーマ10
家族の介護負担のケアプラン文例・記入例|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容と「追加確認したいこと」
執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん))
実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中
法律部分:司法書士・行政書士 確認中
公開 2026-10-02/更新 2026-10-02
どんなときに 主介護者が疲れ切っている、仕事と介護の両立が限界、老老介護で共倒れが心配、遠方の家族が通いで支えている、本人がサービスを拒み家族だけで抱えている、家族が「自分のせい」と責めて相談先を知らない、などの利用者と家族。本人のプランでありながら「介護者の健康と生活」をもうひとつの柱として立て、介護者支援(レスパイト・介護者の会・ショートステイ・相談先)を必ず組み込む視点で開かれるページ。
この利用者さん用に作る
希望と困りごとを選ぶだけで、ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容のたたき台と「追加確認したいこと」が出ます。AIではなく、このページの文例を組み合わせます。
選ぶだけで作る →総合的な援助の方針(本人・家族の希望別)
| 希望 | 文例 |
|---|---|
| 本人:家族に迷惑をかけたくない、でも家にいたい | ご本人の「家にいたい」とご家族の「支え続けたい」の両方を成り立たせるため、ご家族だけで抱えない体制をつくります。介護サービスは「家族の代わり」ではなく「家族が続けるための土台」と位置づけます。 |
| 家族:本人を家で看続けたいが、自分の体がもつか不安 | 介護されているご家族の健康を、ご本人の生活と同じ重さで支援の柱にします。ご家族の睡眠・体調・受診状況を毎月確認し、休める時間(デイサービス・ショートステイ)を計画的に確保します。 |
| 家族:仕事を辞めずに介護を続けたい | 勤務時間に合わせてサービスを配置し、日中の空白時間と緊急時の対応を整えます。勤務先の介護休業・介護休暇の制度確認も含め、介護離職を防ぐ視点で支援します。 |
| 家族:夜だけでもゆっくり眠りたい、自分の時間がほしい | 夜間の負担の原因を医療と一緒に確認して減らすとともに、ショートステイ等でご家族がまとまって眠れる日を定期的につくります。 |
| 家族:介護のやり方が正しいのか、誰かに相談したい | 訪問看護・リハビリ職から介助方法や体調の見方を具体的にお伝えし、ご家族が「これでいい」と思える状態を目指します。ケアマネが毎月の訪問でご家族の疑問をうかがいます。 |
| 家族:一人で抱えず、きょうだいや専門職と分担したい | ご家族の中での役割分担と、専門職・地域(家族会・地域包括支援センター)の相談先を整理し、主介護者の負担が一人に集中しない体制をつくります。 |
| 家族:施設を考えることに罪悪感がある。気持ちを整理したい | 施設入所と在宅継続は「どちらが正しい」ではなく、ご本人とご家族が納得して選べるように情報と時間を提供します。決断を急がせず、気持ちの揺れも含めて一緒に整理します。 |
困りごと別の文例(6場面)
- 高齢の配偶者が一人で介護し、疲弊して体調を崩しかけている(老老介護)
- 働いている子が介護を担い、仕事との両立が限界(同居)
- 遠方の子が通いで支えており、独居の本人の緊急時が不安
- 夜間の見守り・介助で家族が眠れない
- 本人がサービス利用を拒み、家族だけで介護を抱えている
- 家族が「自分のせい」と責め、相談先を知らず孤立している
1高齢の配偶者が一人で介護し、疲弊して体調を崩しかけている(老老介護)
ニーズ
- 本人:妻(夫)に無理をさせたくない、でも家にいたい
- 家族:自分が倒れたら共倒れになる。少し休みたい
- 家族:自分の通院にも行けていない
長期目標
- 本人:在宅生活が続けられる
- 家族:週に半日以上、介護から離れる時間が確保できる
- 家族:自分の受診・健康管理ができている
短期目標
- デイサービスを週2回利用し、その間に家族が休養・受診できる
- 訪問介護が入浴・排泄の介助を担い、家族の身体的負担が減る
- 家族の疲労と体調を月1回ケアマネが確認し、記録する
サービス内容
- デイサービス:週2回、入浴を含む(家族の自由時間の確保)
- 訪問介護:身体介護(排泄・更衣)を週3回
- ショートステイ:月1回2泊から開始し、家族の休息と本人の慣れをつくる
- ケアマネ:家族の疲労・体調を聞き取り、家族自身のかかりつけ医への受診を勧める
- 地域包括支援センター・家族会:介護者の相談先を紹介する
このケースで追加確認したいこと
- 介護者の睡眠時間・体調・持病・受診状況(介護者自身の健康が未確認)
- 介護者本人が何を望んでいるか(休みたいのか、やり方を知りたいのか、話を聞いてほしいのか)
- 別居の子どもなど代わりに担える人がいるか、家族の関係性
2働いている子が介護を担い、仕事との両立が限界(同居)
ニーズ
- 家族:仕事を辞めたくないが、日中一人にするのが不安
- 家族:急な休みが続き、職場に申し訳ない
- 本人:子どもの仕事の邪魔をしたくない
長期目標
- 家族が仕事を続けながら介護できる体制がある
- 本人が日中安全に過ごせる
- 緊急時に家族以外が対応できる仕組みがある
短期目標
- 平日はデイサービスと訪問介護で、本人が一人になる時間が2時間以内になる
- 勤務先の介護休業・介護休暇・時短などの制度を家族が確認し、利用を検討する
- 緊急通報装置・配食など、日中の見守りの仕組みを導入する
サービス内容
- デイサービス:平日週5回、送迎時間を勤務に合わせる(要確認:延長対応の可否)
- 訪問介護:デイサービスのない時間帯の安否確認・食事の準備
- 市町村:緊急通報装置・配食サービス(要確認:自治体の制度)
- 家族:職場の人事に介護の制度(介護休業・介護休暇・所定外労働の制限など)を確認する
- ケアマネ:緊急時の連絡先と対応の順番を書面にして共有する
このケースで追加確認したいこと
- 家族の勤務形態(勤務時間・在宅勤務の可否・急な休みの取りやすさ)
- 本人が一人でいる時間帯に何が起きているか(転倒・食事抜き・火の不始末など具体的な危険)
- 家族が「辞める」ことを考え始めていないか(介護離職の兆候)
3遠方の子が通いで支えており、独居の本人の緊急時が不安
ニーズ
- 家族:何かあったときすぐ行けない。電話がつながらないと不安になる
- 家族:通う交通費と休みで限界
- 本人:子どもには心配をかけたくない。まだ一人でやれる
長期目標
- 本人:見守り体制のもとで独居生活が続けられる
- 家族:緊急時に頼れる人が地域にいて、通う回数を減らせる
- 家族:交通費・休みの負担が続けられる範囲になる
短期目標
- 訪問介護・配食・民生委員などで、毎日誰かの目が入る
- 緊急連絡先と鍵の管理方法を家族・ケアマネ・訪問介護で決める
- 月1回、家族とケアマネがオンラインまたは電話で状況を共有する
サービス内容
- 訪問介護:週3回の生活援助と安否確認
- 配食サービス(自治体・自費):毎日昼の配達と安否確認
- 民生委員・近隣:異変時の連絡
- 緊急通報装置:市町村の制度または自費で導入(要確認:自治体の制度)
- ケアマネ:月1回、家族へ報告。緊急時の対応の流れを共有し、本人が住む自治体の地域包括支援センターを家族の相談先として案内する
このケースで追加確認したいこと
- 家族が通える現実的な頻度と、それを本人がどう受け止めているか
- 緊急時、家族が到着するまでに誰が対応するか(近隣・親戚・キーパーソン)
- 本人の判断力(電話で異変を伝えられるか、通報装置を使えるか)
4夜間の見守り・介助で家族が眠れない
ニーズ
- 家族:夜中に何度も起こされ、昼間も眠くて危ない
- 家族:夜だけでも誰かに代わってほしい
- 本人:夜になると不安で家族を呼んでしまう
長期目標
- 家族が続けて5時間以上眠れる日が週の半分以上になる
- 本人の夜間の不安・覚醒が減る
- 家族が介護を続けられる
短期目標
- 夜間に起きる原因(排泄・痛み・不安・昼夜逆転)を主治医・訪問看護と確認する
- 日中の活動量を増やし(デイサービス週3回)、夜眠れるリズムをつくる
- ショートステイを月2回利用し、家族がまとまって眠れる日をつくる
サービス内容
- 主治医・訪問看護:夜間覚醒の原因評価と、必要時の薬の調整
- デイサービス:週3回、日中の活動と昼寝時間の調整
- ショートステイ:月2回(要確認:空き状況)
- 夜間対応型訪問介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護(要確認:地域に事業所があるか)
- 家族:夜間に起きた時刻と理由を1週間記録する
このケースで追加確認したいこと
- 介護者の睡眠時間と、日中に仮眠できる時間があるか
- 夜間覚醒の原因(排泄・痛み・せん妄・薬・不安)が評価されているか
- 家族が施設利用をどう考えているか(気持ちの整理の段階)
5本人がサービス利用を拒み、家族だけで介護を抱えている
ニーズ
- 本人:他人に家に入られたくない。デイサービスには行きたくない
- 家族:本人が嫌がるので頼めず、全部自分でやっている
- 家族:本人の気持ちも大事にしたいが、もう限界
長期目標
- 本人が受け入れられる形で、家族以外の支援が入る
- 家族の介護時間が減り、休める日がある
- 本人と家族の関係が保たれる
短期目標
- 本人の抵抗が少ないサービスから試す(訪問看護の健康相談・短時間の訪問・体験利用など)
- 本人が信頼する人(主治医・友人・孫など)から利用を勧めてもらう
- ケアマネ同席で、家族の限界を本人と共有する場を設ける
サービス内容
- ケアマネ:本人の拒否の理由を聞き取り、受け入れやすい入口を一緒に探す
- 主治医:受診時に「リハビリのために通ってみては」など本人へ提案する
- デイサービス・デイケア:半日の体験利用から始める
- 訪問看護:「体調を診に来る」という形で導入する
- 家族会・地域包括支援センター:家族が気持ちを話せる場を紹介する
このケースで追加確認したいこと
- 本人の拒否の背景(他人への抵抗・プライド・費用の心配・認知症による理解・過去の嫌な経験)
- 家族の限界の程度(心身の症状、「手が出そうになる」瞬間の有無)
- 家族が本人の拒否をどこまで尊重したいか、緊急性とのバランス
6家族が「自分のせい」と責め、相談先を知らず孤立している
ニーズ
- 家族:自分の介護が悪くて本人が悪くなった気がする
- 家族:誰にも話せない。相談していいことなのかわからない
- 家族:イライラして本人にきつく当たってしまい、自己嫌悪になる
長期目標
- 家族が「一人ではない」と感じられる相談先を持つ
- 家族が本人にきつく当たる場面が減り、自分を責めなくなる
- 介護が続けられる
短期目標
- ケアマネが月1回、家族の話を聞く時間を持つ
- 家族会・介護者の集い・認知症カフェのいずれかに1回参加する
- 家族の心身の状態を確認し、必要なら家族自身の受診につなぐ
サービス内容
- ケアマネ:モニタリング訪問で家族の気持ちを聞く時間を確保し、本人の変化は介護のせいではなく病気の経過であることを説明する
- 地域包括支援センター:介護者向けの相談・家族会の案内
- 家族会・認知症の人と家族の会・介護者の集い:同じ立場の人と話す場
- デイサービス・ショートステイ:家族が介護から離れる時間の確保
- 家族自身のかかりつけ医(必要時):不眠・気分の落ち込みの相談(要確認:家族の状態に応じて)
このケースで追加確認したいこと
- 家族の心身の状態(眠れているか・食べられているか・気分の落ち込みのサイン)
- 家族が本当に望んでいること(休みたい・話を聞いてほしい・やり方を知りたい・施設を考えたい)
- 家族が追い詰められているサイン(「手が出そう」という訴えなど)の有無。ある場合は責めずに地域包括支援センターと連携し、介護者を支える側で動く
モニタリング・支援経過の文例
- 妻より「デイの日は昼寝ができるようになった」と発言。自身の血圧の受診にも行けた。本人はデイに「行きたくない」と言う日もあるが、送迎時の声かけで通えている。ショートステイは翌月から試行予定。
- 長男が職場で介護休暇の制度を確認し、年5日まで取得できることがわかった。デイの延長利用で帰宅までの空白時間は1時間程度になり、「辞めなくて済みそう」との言葉あり。緊急通報装置は申請中。
- 遠方の長女とオンラインで月次の共有を実施。訪問介護から「冷蔵庫に古い食品が増えている」と報告があり、配食を週5回に増やすことで合意。長女の帰省は月1回に減らし、「罪悪感があったが、みてもらえていると思えて安心した」と話す。
- 夜間の記録から、起きる原因はトイレが主で、就寝前の排泄と夜間用パッドで2回から1回に減った。妻の睡眠は「途中で1回起きるだけになった」と改善。ショートステイの利用日は熟睡できたとのこと。
- 家族会に初めて参加。「同じ立場の人の話を聞いて、自分だけじゃないとわかった」と表情が明るい。本人にきつく当たる場面は減ったと自己申告。次回は家族自身の受診の必要性を一緒に確認する。
根拠・参考
- 育児・介護休業法:介護休業(対象家族1人につき通算93日・3回まで分割)、介護休暇(年5日、対象家族2人以上で年10日)、所定外労働の制限など(要確認:最新の改正内容と勤務先の就業規則)
- 高齢者虐待防止法:養護者による虐待の早期発見と、養護者(介護者)への支援が市町村の責務。相談・通報先は市町村・地域包括支援センター(要確認)
- 地域支援事業の任意事業「家族介護支援事業」(介護者教室・介護者の交流会など)は自治体により実施内容が異なる(要確認:各自治体)
- 介護者アセスメントの視点:介護者の健康・仕事・経済・人間関係・介護への意向を、本人のアセスメントと分けて把握する(要確認:ケアラーアセスメントの各種様式)
- 認知症の人と家族の会、各自治体の家族会・介護者の集い、認知症カフェは地域包括支援センターで案内を受けられる
一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)
- 介護分野における取組事例について(資料4)※ハラスメント対策の経緯厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課・令和3年1月21日
- 令和6年度「居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員の“やりがい”と“カスタマーハラスメント”に関する実態調査報告書」一般社団法人日本介護支援専門員協会・令和7年3月(調査:令和6年11月28日~12月23日)
- 市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(高齢者虐待対応マニュアル)厚生労働省老健局・令和7年3月(初版平成18年4月、平成30年3月・令和5年3月改訂)
- 生活支援コーディネーターの役割とその実践について医療経済研究機構 服部真治(九州厚生局 生活支援コーディネーター交流会)・令和6年10月11日
本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。
文例は実務の監修中です。
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更新履歴:2026-10-02 公開(たたき台・監修中)
