となりのケアマネさん

ケアプラン文例 テーマ13

看取り(老衰・非がん)のケアプラン文例・記入例|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容と「追加確認したいこと」

執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん)) 実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中 法律部分:司法書士・行政書士 確認中 公開 2026-10-02/更新 2026-10-02

どんなときに 老衰や、心不全・認知症などの病気の末期で、医師から「看取りの時期に入っている」と説明を受け、自宅で最期まで過ごす方針になった方。食べる量・飲む量が減り、眠っている時間が長くなる経過の中で、家族は「点滴をしなくていいのか」「入院させたほうがよいのか」「救急車を呼ぶべきか」と迷いやすい。本人の意思は、事前の話し合い(人生会議)や本人がこれまで話してきた言葉から確かめる。在宅医の24時間対応・訪問看護・訪問介護の役割分担、夜間の不安への備え、亡くなったときの連絡の順番まで含めて、家族が慌てずに過ごせる体制をつくる。

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希望と困りごとを選ぶだけで、ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容のたたき台と「追加確認したいこと」が出ます。AIではなく、このページの文例を組み合わせます。

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総合的な援助の方針(本人・家族の希望別)

希望文例
最期まで住み慣れた家で過ごしたい本人が以前から話していた「家で」という希望を軸に、在宅医・訪問看護・訪問介護の24時間の連絡体制を整え、状態の変化に合わせて訪問の回数と内容を見直します。方針は一度決めて終わりにせず、本人・家族の気持ちの変化に応じて何度でも話し合います。
痛みや苦しさをできるだけ少なくしてほしい痛み・息苦しさ・不快感への対応は在宅医と訪問看護が中心に行い、介護職と家族は体の向き・口の中・室温など日常の心地よさを整えます。本人が言葉で伝えられなくなっても、表情や呼吸から苦しさを読み取る視点を関係者で共有します。
無理に食べさせたり、管や点滴で命を延ばしたりせず、自然な形で過ごしたい食べる・飲むことが減っていく経過と、点滴などの選択については在宅医が本人・家族に説明し、本人の意思を確認しながら方針を決めます。ケアマネは話し合いの場を調整し、決めた内容を関係者で共有します。
最期まで家族の声が聞こえる場所で、いつもの暮らしの中にいたいベッドの置き場所や過ごし方を「介護しやすさ」だけで決めず、家族の気配が感じられ、好きな音や光のある場所を本人・家族と一緒に選びます。介護の手順が暮らしの時間を奪わないよう、負担の大きい部分はサービスが担います。
本人の望みどおりにしてあげたいが、何が起きるか分からず不安(家族)これから起こりうる体の変化を在宅医・訪問看護から家族に事前に説明する機会を設け、「迷ったときの電話先」を一本に決めます。家族の迷いは自然なことと受け止め、決めたことを変えてもよいと伝え続けます。
夜も安心して過ごせるよう、いつでも相談できる体制がほしい(家族)訪問看護の24時間対応と在宅医の夜間連絡の体制を確認し、夜間に様子が変わったときの連絡の流れを家族と事業所で共有します。必要に応じて夜間の訪問介護や泊まりのサービスも検討し、家族が眠れる日を確保します。
最期のときに慌てないよう、流れを知っておきたい(家族)呼吸が止まったと気づいたときに「救急車でなく、まず在宅医(または訪問看護)へ連絡する」ことをはじめ、亡くなったあとの連絡の順番とサービスの終わり方を事前に紙にして家族と共有します。聞きたくない家族には無理に説明しません。

困りごと別の文例(6場面)

1食べる量・飲む量が減り、家族が「点滴をしなくていいのか」と迷っている

ねらい看取りの時期に食べる・飲むことが減るのは経過の一部であることが多く、無理に食べさせるとむせや苦しさにつながることがある。「食べさせる」から「口を潤す・好きな味を少し・口の中を清潔に」へ目標を移すと、家族の「何もしていない」感じが和らぐことが多い。点滴の判断は医師に委ね、ケアマネは話し合いの場と情報の共有を担う

ニーズ

  • 食べたくないのに勧められるのはしんどい。好きなものを少しだけ口にできればいい(本人)
  • 水も少ししか飲まなくなった。のどが渇いてつらいのではないかと心配(家族)
  • 点滴をすれば少し持ち直すのか、しないと見捨てることになるのか、分からない(家族)

長期目標

  • 食べる・飲むことについて本人の意思と家族の思いが在宅医と話し合われ、家族が「これでいい」と思える方針で過ごせている
  • 口の中が清潔で潤い、口の乾き・汚れによる不快感が少ない状態が最期まで保たれている
  • 家族が「食べさせる」以外の関わり(口を潤す・好きな味を少し・そばで話す)を持ち、本人と過ごす時間になっている

短期目標

  • 食べる・飲む量が減っていく経過と点滴などの選択について、在宅医から家族が説明を受け、質問できる機会が1回以上ある(2週間)
  • 口腔ケアと口を潤す方法を訪問看護から家族が教わり、1日数回行えている(2週間)
  • 本人の好きだった味・飲み物を家族が用意し、本人が望むときに少量口にできている(2週間)

サービス内容

  • 在宅医:食べられなくなる経過の説明と、点滴などの選択についての本人・家族との話し合い。方針を関係者に共有
  • 訪問看護:口腔ケア・口を潤す方法を家族に伝え、脱水や苦しさの兆候を確認して在宅医に報告。むせやすい食べ方を避ける助言
  • 訪問介護:口腔ケアの実施、好きな味の飲み物や少量の食事の準備。食べなかったことを家族に報告する際は責める言い方をしない
  • 家族:「食べて」と繰り返さず、口を潤す・好きな味を少し・そばに座るを日課にする。迷いが出たら在宅医・訪問看護・ケアマネに話す
  • ケアマネ:家族の迷いを聞き取り、在宅医との話し合いの場を調整。決めた方針と変わった点を事業所間で共有

このケースで追加確認したいこと

  • 本人が以前、食べられなくなったときのこと(点滴・管・入院)について話していた言葉があるか(本人の意思の手がかりになる)
  • 家族の中で「点滴をしてほしい」「自然に」と考えが分かれていないか(分かれている場合は在宅医の説明の場に全員が同席できるよう調整)
  • 口の渇き・むせ・痰など、家族が「つらそう」と感じる場面が具体的に何かを訪問看護と共有しているか

2本人は「家で」と言っていたが、状態が悪くなるにつれ家族が「入院させたほうが」と揺れている

ねらい本人の意思は一度の確認で終わらず、「以前の言葉」「今の表情や反応」「家族が知る本人の価値観」を重ねて確かめ続けるもの。家族の揺れは自然な反応で、「決めたことを変えてよい」と保証されることで、かえって家で過ごし続ける選択を支えることが多い。見るのは「本人の意思を確かめる場が持てているか」「家族が迷いを口にできているか」

ニーズ

  • 最後は家で、家族のそばで過ごしたい。病院には行きたくない(本人・以前からの言葉)
  • 本人はずっと「家で」と言っていた。でも苦しそうな姿を見ると、病院のほうが楽なのではと思ってしまう(家族)
  • 本人がもう自分の気持ちを言えない。自分たちが決めていいのか分からない(家族)

長期目標

  • 本人の意思(以前の言葉・今の反応・本人の価値観)が家族・在宅医・ケアマネで共有され、それに沿った場所で過ごせている
  • 家族が「迷ってよい・変えてよい」と感じながら、本人のそばで過ごす時間を持てている
  • 入院を選んだ場合も、本人の希望に近い形(受け入れ先・付き添い)で移れるよう事前の相談ができている

短期目標

  • 本人の意思について、本人がこれまで話していた言葉と今の反応を家族が書き出し、在宅医・ケアマネと共有できている(2週間)
  • 在宅医・訪問看護・ケアマネ・家族で話し合う場を持ち、「家で過ごす」ために必要な支援と、入院を考える目安を確認している(2週間)
  • 家族が迷いを在宅医・訪問看護・ケアマネのいずれかに月2回以上話せており、「一人で決めている」と感じていない(1か月)

サービス内容

  • 在宅医:本人の状態と見通しの説明、「苦しそう」に見える場面への対応(家でもできることの提示)、入院が選択肢になる場合の目安と受け入れ先の相談
  • 訪問看護:本人の表情・呼吸・反応から苦しさを読み取り、家族に説明。「苦しそう」に見える経過と、楽にするケアを伝える
  • ケアマネ:話し合いの場(本人・家族・在宅医・訪問看護)を調整し、本人の意思を確かめる手がかりを集め、決めた内容と変更を関係者に共有
  • 家族:本人がこれまで話していた言葉を思い出して書き出す。迷いが出たときは一人で抱えず、電話で相談する
  • 地域包括支援センター・相談窓口:家族が方針を決めかねるとき、第三者として話を聞く場として案内(要確認:地域の体制)

このケースで追加確認したいこと

  • 本人がこれまでに医療や最期の場所について話した言葉や、書き残したもの(事前の話し合いの記録・エンディングノートなど)があるか
  • 家族が「入院させたほうが」と思う理由が、本人の苦しさへの心配か、自分たちの介護の限界か、周囲(親族)の声か(理由によって支援が変わる)
  • 入院を選んだ場合の受け入れ先と、在宅に戻る選択肢があるかを在宅医と確認したか

3夜間に呼吸や様子が変わると救急車を呼ぶか迷い、家族が眠れない

ねらい看取りの時期は夜間に呼吸の仕方や意識の様子が変わることがあり、家族は「このまま見ていていいのか」で一番消耗する。「変化が起きたとき、まず誰に電話するか」が一本に決まり、一度でも電話して応じてもらえた経験があると、家族の夜の過ごし方が変わることが多い。見るのは「家族の睡眠」と「連絡の流れが使えたか」

ニーズ

  • 夜に目が覚めたとき、そばに誰かいると安心する。救急車で運ばれるのは嫌だ(本人)
  • 夜中に呼吸が変わると、このまま見守っていいのか、救急車を呼ぶべきか分からず動けなくなる(家族)
  • 何かあったら自分が気づけるかと思うと眠れない。夜だけでも誰かに見てほしい(家族)

長期目標

  • 夜間に様子が変わったとき、家族が決められた連絡先に電話し、本人の希望に沿った対応が受けられている
  • 家族が夜に休める時間を確保でき、「眠れない日が続く」状態になっていない
  • 夜間の変化と対応が関係者で共有され、家族が一人で判断しなくてよい体制になっている

短期目標

  • 「夜間に変化があったときの連絡先と順番」(訪問看護の24時間連絡先→在宅医)を紙に書いて電話の近くに貼り、家族全員が知っている(1週間)
  • 起こりうる夜間の変化(呼吸の変化・眠っている時間が長い・反応が少ないなど)と対応を訪問看護から家族が聞いている(2週間)
  • 夜間の訪問介護・泊まりのサービス・親族の交代などで、主介護者が続けて眠れる日が週2日以上ある(1か月)

サービス内容

  • 訪問看護(24時間対応):夜間の電話相談と必要時の緊急訪問。呼吸や様子の変化について、家族に事前に説明し「電話してよい目安」を伝える
  • 在宅医:夜間の連絡体制(診療所の当番・連携先)を家族に説明。往診の判断と、救急搬送が必要になる場合の考え方を事前に共有
  • 訪問介護(夜間対応型・定期巡回など・要確認:地域の有無):夜間の体位の介助・排泄のケア・安否の確認
  • 看護小規模多機能型居宅介護など(要確認:地域の有無・利用の条件):泊まりを含めた支援が必要な場合の選択肢として検討
  • 家族・親族:夜の見守りを交代で担う人を決める。主介護者が眠る日を予定に入れる

このケースで追加確認したいこと

  • 夜間、実際に電話したときに誰が出て、どのくらいで来てくれるかを訪問看護・在宅医に確認したか(体制の名称だけで安心しない)
  • 主介護者の睡眠時間と、眠れていない理由(本人の様子が心配・音で起きる・自分が倒れる不安)
  • 当日いない家族・親族が夜間に来た場合も、同じ連絡の流れを知っているか

4寝て過ごす時間が増え、床ずれ・口の乾き・痰・排泄の世話が増えている

ねらい寝ている時間が長くなる時期の体のつらさは、痛みより「同じ姿勢・口の乾き・汗や排泄の不快」から来ることが多い。体の向きや枕の当て方、口腔ケア、室温や寝具の工夫で楽になる部分が大きく、家族ができる関わりとしても手応えがある。見るのは「皮膚の赤み」「口の中」「表情が楽か」

ニーズ

  • 同じ向きで寝ていると腰やお尻が痛い。楽な姿勢で過ごしたい(本人)
  • 口の中が乾いてカサカサで、痰がからんで苦しそうに見える(家族)
  • おむつの交換で体を動かすたびに顔をしかめる。自分のやり方が悪いのか不安(家族)

長期目標

  • 床ずれ・口の乾き・排泄の不快が最小限に保たれ、本人が楽な表情で過ごせている
  • 家族が「できる介護(体の向き・口のケア・声かけ)」を持ち、負担の大きい処置は専門職が担う分担ができている
  • 体の変化(皮膚・口・呼吸・排泄)が訪問看護・訪問介護・家族で共有され、早めに対応できている

短期目標

  • 床ずれ防止用のマットレスを導入し、体の向きを変える方法とクッションの当て方を家族・訪問介護が訪問看護から教わっている(1週間)
  • 口腔ケアを1日数回行い、口の中の乾き・汚れが訪問看護の確認で改善している(2週間)
  • おむつ交換・体位の介助の際の痛みの少ない方法(声かけ・ゆっくり・二人で)を家族が実践でき、「顔をしかめる」場面が減っている(2週間)

サービス内容

  • 福祉用具(貸与):床ずれ防止用のマットレス・電動ベッド・クッション。体の向きを変える負担を減らす用具は訪問看護・作業療法士と選ぶ
  • 訪問看護:皮膚の観察と床ずれの処置、口腔ケア・痰への対応、体位の工夫の指導。苦しさがあれば在宅医に報告
  • 訪問介護:排泄のケア・体位の介助・清拭・口腔ケア。訪問時に皮膚の赤みや痰の様子を訪問看護に伝える
  • 作業療法士・理学療法士(訪問リハビリ):楽な姿勢(枕・クッションの当て方)、ベッド上での体の向きの変え方、家族の介助方法の指導
  • 家族:体の向きを変える・口を潤す・手を握る・声をかける。「自分のやり方が悪い」と思ったら訪問看護に見てもらう

このケースで追加確認したいこと

  • 排泄の方法(トイレ・ポータブルトイレ・おむつ)について本人の意思や以前の言葉を確かめ、本人の尊厳に配慮した形になっているか
  • 家族が介助のどの部分を「自分でやりたい」と思い、どの部分を「任せたい」と思っているか(全部を任せたいわけではないことが多い)
  • 室温・寝具・音・光など、本人が心地よく過ごせる環境が本人の好みに沿って整っているか

5主介護者が「自分が決めてよいのか」と抱え込み、他の家族との意見の違いもあって疲れている

ねらい看取りの時期の家族は「介護の疲れ」と「決めることの重さ」と「先取りの悲しみ」を同時に抱える。主介護者が一人で決めている状態を、「本人の意思を軸に、医療職と家族みんなで決める」形に変えることで、後の後悔を小さくできることが多い。見るのは「主介護者が眠れているか」「他の家族が話し合いに加わったか」

ニーズ

  • 毎日そばにいる自分と、たまに来る兄弟で言うことが違う。「入院させろ」と言われても、本人の望みを知っているのは自分(家族)
  • 本人のためと思ってやっているが、これでいいのか誰にも聞けない。夜中に一人で泣いている(家族)
  • 自分が倒れたら誰が見るのかと思うと、休むことに罪悪感がある(家族)

長期目標

  • 主介護者が「一人で決めている」状態から、本人の意思を軸に家族と医療職で決める形になり、気持ちの負担が軽くなっている
  • 他の家族・親族が本人の状態と方針を共有し、主介護者を支える側に加わっている
  • 主介護者が休む時間と気持ちを話せる相手を持ち、看取りの後も生活を続けられる力を残している

短期目標

  • 離れて住む家族・親族が在宅医・訪問看護の説明の場に同席(または電話・オンライン)し、本人の状態と方針を直接聞いている(2週間)
  • 主介護者が週に1回以上、訪問看護・ケアマネのいずれかに「自分の気持ち」を話す時間を持てている(2週間)
  • 主介護者が休める時間(親族の交代・サービスの利用)が週に数時間以上確保されている(1か月)

サービス内容

  • ケアマネ:家族・親族を含めた話し合いの場を調整し、本人の意思と方針を全員に共有。主介護者の気持ちを毎回の訪問で聞く
  • 在宅医・訪問看護:離れて住む家族にも状態と見通しを直接説明する機会をつくる。家族の気持ちの揺れを受け止め、看取り後の支援についても触れる
  • 訪問介護・訪問入浴:主介護者が休める時間を確保するための訪問。主介護者の体調にも気を配り、心配な様子はケアマネに伝える
  • 家族・親族:役割分担(泊まる人・連絡を受ける人・手続きをする人・話を聞く人)を決め、主介護者だけに集中しないようにする
  • 地域包括支援センター・家族会・相談窓口(自費・無料):主介護者が気持ちを話せる場、看取りを経験した家族の集まりなどを案内(要確認:地域の有無)

このケースで追加確認したいこと

  • 主介護者が眠れているか・食べられているか・体調不良を我慢していないか(主介護者自身の受診が必要な状態でないか)
  • 家族の間の意見の違いが「本人の意思の理解の違い」か「介護の負担の見え方の違い」か(前者は在宅医の説明の場で、後者は役割分担で動く)
  • 主介護者が看取りの後に一人になる場合(配偶者など)、看取り後の生活や相談先について考える余裕があるか(今は無理に進めない)

6亡くなったあとの流れ(連絡の順番・サービスの止め方)が決まっておらず、家族が不安

ねらい「そのとき」の流れを事前に知っていることは、家族が最期の時間を本人のそばで過ごすための準備になる。呼吸が止まったと気づいたとき救急車を呼ぶと、本人の「家で」という希望と違う流れになることがあり、「まず在宅医(または訪問看護)へ」が決まっているだけで家族の慌て方が変わる。見るのは「流れを書いた紙があるか」「家族がそれを読めているか」

ニーズ

  • 息をしていないと気づいたとき、何をすればいいのか分からない。救急車を呼んでいいのか(家族)
  • 亡くなったあと、誰にどの順番で連絡すればいいのか。ベッドや用具はどうなるのか(家族)
  • 最期のときに慌てて、本人のそばにいられなかったと後悔したくない(家族)

長期目標

  • 亡くなったときの連絡の順番(在宅医→家族・親族→葬儀社→ケアマネなど)が家族に伝わり、慌てずに本人のそばで過ごせている
  • 介護保険のサービス・福祉用具の終わり方と手続きが整理され、家族が「分からないまま」になっていない
  • 家族が看取りのあとに「できることはした」と振り返れるよう、事前の説明と看取り後の声かけが行われている

短期目標

  • 「呼吸が止まったと気づいたら、救急車でなくまず在宅医(または訪問看護)へ連絡する」ことと連絡先を、家族全員が確認し紙で持っている(1週間)
  • 亡くなったあとの流れ(死亡の確認・死亡診断書・葬儀社への連絡・ケアマネへの連絡・用具の引き取り)を家族が在宅医・ケアマネから聞いている(2週間・家族が希望する場合)
  • 介護保険・医療・福祉用具の各事業所に、亡くなったときの連絡の受け方と終了の手続きが共有されている(2週間)

サービス内容

  • 在宅医:亡くなったときの連絡先と、死亡の確認・死亡診断書の流れを家族に説明。最後の診察から時間が空いていても、診ていた経過であれば対応できるかを事前に確認(要確認:主治医に)
  • 訪問看護:呼吸や様子の変化の見通しと、「そのとき」の連絡の流れを家族に伝える。亡くなったあとの体のケア(エンゼルケアなど・要確認:事業所の対応と費用)
  • ケアマネ:連絡の順番を紙にして家族に渡し、各事業所に看取り後の流れを共有。亡くなった後のサービス終了・福祉用具の引き取りの連絡を担う
  • 福祉用具事業所:亡くなった後の用具の引き取り時期(葬儀の後など家族の希望に合わせる)を事前に確認
  • 家族:連絡先の紙を家族全員が持ち、「救急車を呼ばない」ことに不安がある場合は事前に在宅医に相談する

このケースで追加確認したいこと

  • 家族が「亡くなったあとの流れ」を今聞きたいと思っているか(聞きたくない家族もいる。無理に説明せず、タイミングは家族に合わせる)
  • 在宅医が夜間・休日も含めて死亡の確認に来られる体制か、連携先の医師が来る場合はどこか
  • 介護保険の資格喪失や保険証の返還など亡くなった後の市町村の手続きの案内先(要確認:市町村の窓口。ケアマネが代行する範囲は事業所で確認)

モニタリング・支援経過の文例

  • 自宅訪問。本人は眠っている時間が長く、呼びかけに目を開けて小さくうなずく。妻より「水を少ししか飲まない。点滴をしなくていいのか」と相談あり。在宅医に連絡し、次回往診時に家族への説明の時間を取ってもらうこととした。訪問看護から口を潤す方法を教わり、妻が1日数回行っている。
  • 長男(遠方)より「入院させたほうがよいのでは」と電話あり。妻と意見が分かれているため、在宅医の往診に長男がオンラインで同席できるよう調整。本人が以前「病院は嫌だ、家がいい」と繰り返し話していたことを妻が書き出し、在宅医と共有した。
  • 訪問看護より「夜間に呼吸の仕方が変わる時間がある」と報告。妻は「怖くて眠れない」と話す。訪問看護の24時間連絡先への電話の流れを再確認し、妻が一度電話して対応してもらえたことで「電話していいと分かった」と話す。長女が週2日泊まることになった。
  • 訪問介護より、腰に皮膚の赤みがあるとの報告。訪問看護が確認し、床ずれ防止のマットレスを翌日に導入。体の向きの変え方とクッションの当て方を妻と訪問介護が教わった。口腔ケアは続けられており、口の乾きは改善している。
  • 在宅医より、家族に「そのときの流れ」の説明を行ったと連絡あり。妻は「救急車でなく先生に電話すると分かって落ち着いた」と話す。連絡の順番を紙にして電話の横に貼り、各事業所に看取り後の流れを共有した。妻の睡眠は長女の泊まりで「週2日は眠れる」とのこと。現行プランを継続し、週1回の連絡を続ける。

根拠・参考

  • 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年改訂):本人の意思を繰り返し確認すること、本人が意思を示せない場合は家族等が本人の意思を推定すること、医療・ケアチームで話し合って決めること。「人生会議(ACP)」の考え方の根拠
  • 厚生労働省「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年):本人の意思を本人の言葉・これまでの生活から確かめる視点(認知症末期の看取りで参照)
  • 死亡診断:在宅医が継続して診ていた病気の経過であれば、最後の診察から時間が空いていても死亡診断書を書けるとされる(要確認:主治医に事前に確認。条件の細部は医師の判断)
  • 訪問看護・在宅医の24時間対応の体制(訪問看護の24時間対応の加算、在宅療養支援診療所など。名称・要件は要確認)
  • 看取りに関する加算:居宅介護支援・訪問看護・施設などに看取り期の支援を評価する加算があるが、名称・要件・対象の疾患は事業所ごとに確認(要確認)
  • 夜間・泊まりの支援の選択肢:定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、看護小規模多機能型居宅介護など(要確認:地域の事業所の有無・利用の条件)

一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)

本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。

文例は実務の監修中です。

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更新履歴:2026-10-02 公開(たたき台・監修中)