
ケアプラン文例 テーマ6
心疾患(心不全など)のケアプラン文例・記入例|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容と「追加確認したいこと」
執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん))
実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中
法律部分:司法書士・行政書士 確認中
公開 2026-10-02/更新 2026-10-02
どんなときに 心不全や心筋梗塞後などで、退院時に「体重・塩分・水分・服薬・活動量」の指示が出ているが、自宅で守り続けるのが難しく、悪化して再入院を繰り返す不安があるときに開かれるページ。「悪化のサインに早く気づいて、主治医につなぐ」体制づくりを中心に書く。独居/家族同居、活動制限の軽い人/重い人で文例を分けている。
この利用者さん用に作る
希望と困りごとを選ぶだけで、ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容のたたき台と「追加確認したいこと」が出ます。AIではなく、このページの文例を組み合わせます。
選ぶだけで作る →総合的な援助の方針(本人・家族の希望別)
| 希望 | 文例 |
|---|---|
| 病院に戻らず、このまま家で暮らしたい | 再入院の多くは「悪化のサインに気づくのが遅れること」から起こるとされるため、毎日の体重・むくみ・息切れの変化を本人・家族・訪問看護で共有し、変化があれば早めに主治医へつなぐ体制を整えます。 |
| 体重や塩分の管理を、自分だけで抱えず誰かに一緒に見てほしい | 毎朝の体重測定と記録を本人の役割とし、訪問看護が週1回確認、増加時の連絡先と目安を主治医の指示に基づき紙にして自宅に置きます。食事は配食と訪問介護で減塩を無理なく続けます。 |
| 息切れがあっても、家の中のことは自分でやりたい | 主治医・理学療法士と相談し、本人ができる家事とやり方(休みながら・座って・小分けに)を決め、負担の大きい部分だけ訪問介護が補います。「できることを奪わない」ことを支援の基本にします。 |
| 買い物や散歩に、少しずつでも出かけられるようになりたい | 心臓リハビリの考え方に沿って、主治医の許可の範囲で通所リハビリで体力をつけ、外出の距離と休憩の取り方を理学療法士と一緒に決めます。 |
| 一人のときに胸が苦しくなったらどうするか、決めておいて安心したい | 緊急時の連絡先・救急要請の目安・持病を書いた情報カードを本人の定位置に置き、緊急通報装置を設置します。関わる事業所全員が同じ手順を共有します。 |
| 薬を間違えずに、切らさずに飲み続けたい | 利尿薬など心不全の薬は飲み忘れ・自己中断が悪化に直結するため、薬局の一包化と薬カレンダー、訪問時の声かけで服薬を支え、残薬があれば主治医に報告します。 |
| (家族)どこまで動かせていいのか分からない。安心して見守れる目安がほしい | 家族が「どこまでやらせていいか」で迷わないよう、主治医の指示を「してよいこと・避けること・連絡するとき」の3つに整理し、家族と共有します。家族の心配が本人の活動制限になりすぎないよう調整します。 |
困りごと別の文例(6場面)
- 体重・むくみ・息切れの変化に気づきにくく、悪化してから受診になる
- 塩分・水分の管理が自分だけでは続かない
- 少し動くと息切れがあり、家事や入浴が負担になっている
- 薬の種類が多く、飲み忘れ・自己中断が心配
- 再入院への不安が強く、外出や活動を控えてしまう(家族同居)
- 一人のときに胸の苦しさや急な息切れが起きたら対応できない(独居)
1体重・むくみ・息切れの変化に気づきにくく、悪化してから受診になる
ニーズ
- 前回は気づいたときには息ができないほどになっていた。もっと早く気づけるようになりたい
- 体重計に乗るのが億劫で、つい何日か空いてしまう
- (家族)足がむくんでいても「いつものこと」と思ってしまい、いつ連絡すべきか分からない
長期目標
- 心不全の悪化による緊急入院がない状態が続く
- 体重・むくみ・息切れの変化が、本人・家族・訪問看護の記録で共有されている
- 本人が「増えたら連絡する」体重の目安(主治医の指示)を言える
短期目標
- 毎朝、排尿後・朝食前に体重を測り、心不全手帳(またはノート)に記録できる(月20日以上)
- 主治医が示した「連絡の目安」(短期間での体重増加・むくみ・横になると苦しい等)を書いた紙が体重計のそばにある
- 訪問看護が週1回、記録を確認して主治医に報告する流れが定着する
サービス内容
- 本人:毎朝の体重測定と記録、足のむくみの確認(靴下の跡・すねを押す)
- 訪問看護:週1回、体重・むくみ・呼吸音・血圧を確認し、主治医の指示に基づき連絡の要否を判断する
- 主治医(かかりつけ医・循環器科):体重増加時・症状出現時の連絡基準と対応(利尿薬の調整等)を指示書で示す
- 家族:週末に記録を一緒に見返し、目安を超えた日がないか確認する
- 訪問介護・デイサービス:訪問時・来所時に息切れ・むくみを観察し、いつもと違えば訪問看護に連絡する
このケースで追加確認したいこと
- 体重測定の習慣と、増加したときの連絡先(訪問看護/主治医/病院の心不全外来)が決まっているか
- 自宅に体重計があるか、乗り降りが安全にできるか(立位が不安定なら手すりの位置)
- 「連絡の目安」となる体重増加の幅を主治医から具体的に聞いているか(ケアマネが数値を決めない)
2塩分・水分の管理が自分だけでは続かない
ニーズ
- 昔から漬物と味噌汁が楽しみ。全部やめろと言われるのはつらい
- 水分を控えろと言われたが、夏は脱水も怖い。どれくらいならいいのか分からない
- (家族)別々に食べるので、本人の食事の内容が把握できていない
長期目標
- 主治医が指示した塩分・水分の範囲で、本人が楽しみを残した食事を続けられている
- 塩分・水分が原因と考えられる体重増加・むくみの悪化がない
- 家族が本人の食事内容をおおまかに把握できている
短期目標
- 減塩の配食を週5日(夕食)利用し、漬物は「1日1切れ」など本人が決めたルールが守れる
- 1日の水分量の目安(主治医の指示)を、本人が決まったコップの杯数で言える
- 訪問介護の調理時に、減塩の工夫(だし・酸味・香辛料)を1品取り入れる
サービス内容
- 主治医・管理栄養士:塩分・水分の指示を具体的な量で示し、本人・ケアマネに共有する(外来栄養指導の活用)
- 配食サービス(減塩対応):夕食を週5日届ける
- 訪問介護:週2回の調理時に減塩の工夫を取り入れ、買い物代行では加工食品・漬物の量を本人と相談する
- 本人:決まったコップで水分量を数え、飲んだ杯数をノートに記す
- 家族:週1回の来訪時に、冷蔵庫の中身と本人の「楽しみのルール」を一緒に確認する
このケースで追加確認したいこと
- 水分制限の指示が実際に出ているか、出ているなら量はいくらか(心不全でも制限が不要な場合があり、ケアマネが勝手に「控えめに」としない)
- 夏場の脱水・熱中症のリスクと、水分制限の兼ね合いを主治医に確認したか
- 本人にとって「これだけは残したい」食べ物が何か(そこを無理に奪うと全体が崩れる)
3少し動くと息切れがあり、家事や入浴が負担になっている
ニーズ
- 洗濯物を干すだけで息が上がる。それでも家のことは自分でやりたい
- お風呂に入ると疲れ果てて、その後は動けない。安全に入りたい
- 動くと悪くなると思うと怖くて、動くのを控えてしまう
長期目標
- 息切れが強く出ない範囲で、本人ができる家事(食器洗い・軽い掃除など)を続けられている
- 入浴が週2回以上、安全に(息切れ・胸の症状なく)続いている
- 活動量が過度に低下せず、歩行能力が維持されている
短期目標
- 理学療法士と、家事の「やり方」(座って行う・小分けにする・休憩を入れる)を決め、本人が実行できる
- 入浴はデイサービス(または訪問入浴・訪問介護の見守り)で週2回行い、湯温・時間の目安を職員が把握している
- 息切れの程度を本人が「話しながらできる/できない」で伝えられる
サービス内容
- 通所リハビリ:週2回、主治医の運動許可の範囲で、心臓に負担をかけない運動と家事動作の練習を行う
- 主治医:入浴の可否・湯温・時間の目安と、避けるべき動作(重い物・急な動作・寒暖差)を指示する
- 訪問介護:週2回、洗濯物干し・掃除機かけなど負担の大きい家事を担う(本人ができる家事は残す)
- デイサービス:週2回の入浴介助。入浴前後に息切れ・むくみを確認し、いつもと違えば中止・連絡する
- 家族・福祉用具:浴室にシャワーチェアと手すりを設置し、脱衣所の暖房を整える
このケースで追加確認したいこと
- 主治医から出ている活動制限の内容(「安静」なのか「無理のない範囲で活動を」なのか)を確認したか
- 息切れの原因に心不全以外(貧血・肺の病気・体力低下)が含まれていないか、主治医の見立てを確認したか
- 本人が動かないのは「息切れ」のせいか「怖さ」のせいか(原因で支援が変わる)
4薬の種類が多く、飲み忘れ・自己中断が心配
ニーズ
- 利尿薬を飲むとトイレが近くて外出できない。出かける日は飲みたくない
- 薬が多すぎて、何のための薬か分からない。減らせないか聞きたい
- (家族)薬が余っているのを見つけたが、本人に言うと怒るので言えない
長期目標
- 心不全の薬が主治医の指示どおり継続でき、自己中断による悪化がない
- 残薬が月に数回分以内で、薬が切れることがない
- 本人が薬の目的(心臓の負担を減らす薬・むくみを取る薬など)をおおまかに言える
短期目標
- 薬局で一包化し、薬カレンダーに家族(または訪問介護)が週1回セットできる
- 利尿薬の服用時間について、外出予定と両立する方法を主治医と相談し、本人が納得している
- 残薬を訪問看護または薬局が月1回確認し、主治医に報告する
サービス内容
- 薬局(居宅療養管理指導):月1〜2回訪問し、一包化・残薬確認・薬の説明を行う
- 主治医:薬の目的を本人に分かる言葉で説明し、利尿薬の服用時間や種類の調整を検討する
- 訪問看護:週1回、服薬状況の確認と、薬を飲めていない理由(副作用・トイレ・気持ち)の聞き取り
- 家族:責めずに「余っている薬があった」と事実だけをケアマネ・薬局に伝える役割をとる
- 本人:薬カレンダーの空きを毎晩確認する
このケースで追加確認したいこと
- 飲まない理由が「忘れる」のか「わざと飲まない(トイレ・副作用・意味が分からない)」のか
- 複数の医療機関から薬が出ていないか(お薬手帳が一冊にまとまっているか)
- 利尿薬を飲むとトイレに間に合わないという不安が、外出回避の原因になっていないか
5再入院への不安が強く、外出や活動を控えてしまう(家族同居)
ニーズ
- また入院するのが怖くて、家から出る気になれない。でもこのまま弱っていくのも嫌だ
- 前のように近所の友達と会いたい
- (家族)何かあったらと思うと外出させられない。でも家にばかりいて元気がないのも心配
長期目標
- 週1回以上、自宅の外に出る機会(通所・買い物・友人との交流)が続いている
- 本人と家族が「してよい活動」と「避ける活動」を同じ理解で共有している
- 本人が「また入院するかも」という不安を口にする頻度が減り、活動への前向きな発言が出ている
短期目標
- 通所リハビリに週1回通い、理学療法士が活動量の目安(休憩の入れ方・歩く距離)を本人・家族に示す
- 家族と一緒に近所(片道5分程度)の外出を週1回行える
- 主治医から「してよいこと・避けること・連絡するとき」の3点を家族が聞き取り、家族・本人・ケアマネで共有する
サービス内容
- 主治医:活動の許可範囲と、外出時の注意点(気温・時間帯・持ち物)を本人・家族に説明する
- 通所リハビリ:週1回、体力に応じた運動と、外出の練習(屋外歩行)を行い、本人の自信につなげる
- 家族:週1回、本人と一緒に短い外出をする。本人ができたことを口に出して伝える
- ケアマネ:家族の不安を聞き取り、「制限しすぎ」になっていないか主治医の指示と照らし合わせる
- 地域包括支援センター・民生委員:近所の通いの場やサロンの情報を提供し、本人の友人とつながる機会をつくる
このケースで追加確認したいこと
- 不安の中身(症状への恐怖か・迷惑をかけたくない気持ちか・家族の反対か)を本人から聞いたか
- 家族が外出を止めている根拠が主治医の指示なのか、家族の心配なのか
- 退院時に心臓リハビリの継続について指示や紹介があったか(外来心リハの有無)
6一人のときに胸の苦しさや急な息切れが起きたら対応できない(独居)
ニーズ
- 夜中に苦しくなったとき、誰に連絡すればいいのか分からない
- 救急車を呼ぶほどかどうか、自分では判断できない
- 倒れていても誰にも気づかれないのが一番怖い
長期目標
- 症状が出たときに、本人が手順どおり連絡・対応でき、対応の遅れによる重症化がない
- 本人の急変に24時間以内に誰かが気づける体制がある
- 本人が「何かあっても連絡できる」と感じ、夜間の不安が減っている
短期目標
- 緊急連絡先(訪問看護の24時間連絡先・主治医・家族・119)と持病・薬を書いたカードを電話横と玄関に置く
- 緊急通報装置(またはペンダント型)を設置し、使い方を本人が練習して押せる
- 訪問看護の24時間対応(緊急時訪問)の契約を結び、「迷ったらまず看護に電話」を本人が言える
サービス内容
- 訪問看護(24時間対応体制):週1回の訪問に加え、症状出現時の電話相談・緊急訪問を行う
- 市町村:緊急通報装置の設置(対象要件を確認)
- 主治医:救急要請の目安(安静にしても治まらない胸の痛み・横になれない息苦しさ等)を本人に説明し、紙で残す
- 家族(別居)・近隣:朝夕の安否確認の電話、または新聞・配食による見守りを組み合わせる
- 本人:情報カードを持ち歩き、症状が出たら「迷ったら看護へ電話」の手順を守る
このケースで追加確認したいこと
- 訪問看護の24時間対応の契約があるか、夜間に電話がつながる番号を本人が知っているか
- 本人が電話や緊急通報装置を、苦しい状態でも操作できるか(置き場所・視力・手の動き)
- 別居家族の到着までの時間と、鍵の預け先(救急隊・訪問看護が入れるか)が決まっているか
モニタリング・支援経過の文例
- 本人が毎朝の体重を心不全手帳に記録しており、今月は26日分の記録あり。訪問看護より「体重は安定、むくみなし」の報告。連絡の目安を書いた紙が体重計横にあることを確認。短期目標は達成。継続して見守る。
- 訪問看護より、3日間で体重が増加し足のむくみが強くなったため主治医に連絡、利尿薬の調整の指示が出たとの報告。原因として来客時に外食が続いたことが考えられ、本人と「外食の翌日は体重を特に注意して見る」ことを確認した。入院には至らず。
- デイサービスより、入浴後に息切れが強く出たため休憩し、その後回復したとの連絡票。湯温と入浴時間を職員が再確認し、主治医の指示(ぬるめ・短時間)を連絡票に明記した。次回のサービス担当者会議で入浴の手順を再共有する。
- 薬局の訪問で利尿薬の残薬が多いことが判明。本人より「出かける日は飲みたくない」との発言。主治医に報告し、服用時間の調整について次回受診で相談することになった。家族には責めずに見守るよう伝えた。
- 通所リハビリの出席は週1回で継続。理学療法士より「屋外歩行が10分続けられるようになった」との報告。本人から「近所の友人の家まで行ってみたい」との発言あり。家族と同行のうえ試すことで合意。短期目標を一段階更新する。
根拠・参考
- 日本循環器学会・日本心不全学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」および「2021年フォーカスアップデート版」。心不全の悪化予防には自己管理(体重・症状のモニタリング・服薬・減塩)と多職種の支援が重要とされる(要確認:最新の改訂状況)
- 日本心不全学会「心不全手帳」。体重・血圧・症状の記録に活用できる。病院で配布されていることが多いので退院時に確認する
- 体重増加の連絡基準・水分制限の有無・活動制限の範囲は、いずれも主治医の指示に従う。ケアマネが数値を決めない
- 訪問看護の24時間対応体制加算(緊急時訪問看護加算)の有無は事業所ごとに異なる。独居の心不全では契約時に必ず確認する(要確認:加算名称・要件の最新版)
- 心臓リハビリテーションは退院後も外来で継続できる場合がある。退院時カンファレンスで紹介の有無を確認する(要確認:地域の実施医療機関)
一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)
- 入退院時におけるケアマネジャーの医療機関等との連携・情報収集の手引き株式会社日本能率協会総合研究所(平成28年度老健事業)・平成29年3月
- 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)(医政発1201第4号)/(その3)(医政発1226第12号)厚生労働省医政局長・令和4年12月1日/令和7年12月26日
- 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン厚生労働省医政局(平成30年度厚労科研 山縣班策定、医政総発0603第1号で周知)・令和元年6月3日
本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。
文例は実務の監修中です。
関連する「これ、私がやるの?」
更新履歴:2026-10-02 公開(たたき台・監修中)
