
ケアプラン文例 テーマ9
服薬のケアプラン文例・記入例|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容と「追加確認したいこと」
執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん))
実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中
法律部分:司法書士・行政書士 確認中
公開 2026-10-02/更新 2026-10-02
どんなときに 「飲み忘れが多く残薬がたまっている」「飲んだことを忘れて重複して飲む」「手が不自由でシートから出せない」「薬が多すぎて何の薬かわからない」「薬を飲みたがらない」など、服薬がうまくいかず病状の悪化や入院が心配される利用者と家族。飲めない原因(記憶・手指・視力・理解・意欲)を分けて確認し、薬局・主治医・介護職・家族で確認の役割を分担する視点で開かれるページ。
この利用者さん用に作る
希望と困りごとを選ぶだけで、ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容のたたき台と「追加確認したいこと」が出ます。AIではなく、このページの文例を組み合わせます。
選ぶだけで作る →総合的な援助の方針(本人・家族の希望別)
| 希望 | 文例 |
|---|---|
| 薬を飲み忘れず、自分で管理したい | ご本人が自分で薬を管理し続けられることを目標に、薬局と連携して一包化やお薬カレンダーなど「間違えにくい仕組み」を整えます。飲み忘れがあっても責めず、原因をご本人と一緒に見つけて仕組みを直していきます。 |
| 薬の数を減らしたい(多くて何の薬かわからない) | 複数の医療機関の処方をお薬手帳1冊にまとめ、かかりつけ薬剤師・主治医と協力して薬の目的と必要性を整理します。ご本人が納得して飲める状態を目指します。 |
| 薬をきちんと飲んで、体調を安定させたい(入院したくない) | 服薬の確認を訪問介護・デイサービス・薬局・ご家族で分担し、飲み忘れによる病状悪化を防ぎます。体調の変化は訪問看護と主治医に早めにつなぎます。 |
| 人に薬の管理をされたくない(自分でやりたい) | ご本人の「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、まずは道具の工夫(一包化・カレンダー・大きな文字)で自己管理を支えます。手伝いが必要な部分だけを最小限にし、ご本人と相談しながら決めます。 |
| 家族:飲んだかどうか、離れていても確認できるようにしたい | 訪問介護やデイサービスでの服薬確認の記録を連絡ノート等でご家族に共有し、ご家族が毎日電話で確認しなくても状況がわかる仕組みをつくります。 |
| 家族:薬の管理を家族だけで抱えたくない | 薬局の訪問(居宅療養管理指導)や訪問介護の服薬確認を組み合わせ、ご家族の役割を「週1回の確認」など無理のない範囲に整理します。 |
困りごと別の文例(6場面)
- 飲み忘れが多く、残薬がたまっている
- 認知症で飲んだことを忘れ、重複して飲んでしまう
- 手指の麻痺や視力低下で、シートから薬を取り出せない・区別がつかない
- 薬の種類が多く、何の薬かわからず自己判断でやめている
- 薬を飲みたがらない(拒薬)・必要ないと思っている
- 家族が薬を管理しているが、負担が大きい(遠方・同居)
1飲み忘れが多く、残薬がたまっている
ニーズ
- 薬を飲み忘れないようにしたい
- 自分で薬を管理し続けたい
- 残った薬がたくさんあって、どうしたらいいかわからない
長期目標
- 処方どおりに薬が飲め、残薬が出ない状態が続く
- 血圧などの体調が安定し、受診時に服薬状況が確認される
- 自分で服薬管理ができている
短期目標
- 薬が一包化され、お薬カレンダーにセットされる
- 服薬のたびにチェックをつけ、飲み忘れが週1回以下になる
- 残薬を薬局が整理し、処方日数が調整される
サービス内容
- 薬局:一包化、残薬の整理と主治医への処方日数調整の提案、お薬カレンダーの導入
- 主治医:服薬回数の見直し(可能なら1日1〜2回にまとめる)
- 本人:お薬カレンダーから取り出して飲み、チェック表に記録する
- 訪問介護:生活援助の訪問時にカレンダーの残りを確認し、飲み忘れがあればケアマネに報告する
- 家族:週1回の電話や訪問でカレンダーを確認する
このケースで追加確認したいこと
- 飲み忘れの原因(覚えていない・面倒・飲むタイミングが生活に合わない・必要性を感じていない)が未確認
- 薬局の一包化・お薬カレンダーの対応と、訪問薬剤管理(居宅療養管理指導)が使えるか
- 複数の医療機関から処方を受けていないか(お薬手帳の一元化)
2認知症で飲んだことを忘れ、重複して飲んでしまう
ニーズ
- ちゃんと薬を飲んで元気でいたい
- 家族:飲んだかどうかがわからず、毎日心配
- 家族:飲みすぎで体調を崩さないか怖い
長期目標
- 重複や飲み忘れがなく、1日分の薬を安全に飲める
- 服薬に伴う体調変化(ふらつき・眠気など)がない
- 家族が毎日の確認から解放され、見守りの負担が軽くなる
短期目標
- 薬を本人の手の届かない場所に保管し、1回分だけ取り出せる仕組みができる
- 訪問介護・デイサービスの職員が服薬を確認し、服薬確認表に記録する
- 服薬支援機器(決まった時間に1回分が出る機器など)の導入を試す
サービス内容
- 薬局:一包化と日付・朝昼夕の印字、居宅療養管理指導での訪問と残薬確認
- 訪問介護:訪問時に1回分を手渡し、飲み終えるまで見守る
- デイサービス:昼の薬を持参し、職員が服薬確認する
- 家族:残りの薬を別の場所に保管し、1日分だけカレンダーにセットする
- 自費:服薬支援機器の導入(要確認:介護保険の対象外)
このケースで追加確認したいこと
- 認知症の程度と、声かけがあれば飲めるのか、飲むこと自体を拒否するのか
- 服薬の時間帯に誰かが立ち会えるか(朝・昼・夕・寝る前のうち、空白の時間帯はどこか)
- 主治医が服薬回数を減らせるか(1日1回への集約)
3手指の麻痺や視力低下で、シートから薬を取り出せない・区別がつかない
ニーズ
- シートから薬を出すのが難しい。落として探すのが大変
- どの薬が朝の分か、字が見えにくくてわからない
- 自分で飲めるように工夫してほしい
長期目標
- 一人で薬を取り出し、決まった時間に飲める
- 薬の落下・紛失がない
- 視力・手指の状態に合った方法で服薬管理が続けられる
短期目標
- 薬局で一包化され、袋の文字が大きく印字される
- 開封しやすい方法(切り込み・はさみ・補助具)を試し、一人で開けられる
- 週1回、家族または訪問介護が1週間分をカレンダーにセットする
サービス内容
- 薬局:一包化、大きな文字・色分けの印字、袋の開封方法の工夫、居宅療養管理指導
- 作業療法士(訪問リハ・通所リハ):手指機能に合った開封方法や補助具の評価
- 訪問介護:週1回のお薬カレンダーへのセット
- 家族:受診時に主治医・薬局に困っていることを伝える
- 眼科:視力の評価と眼鏡の調整(要確認:受診の必要性)
このケースで追加確認したいこと
- 手指のどの動作が難しいか(つまむ・ちぎる・押し出す)を評価しているか
- 視力の問題か、照明の問題か(明るさの改善で解決するか)
- 薬局が一包化や印字の変更に対応できるか
4薬の種類が多く、何の薬かわからず自己判断でやめている
ニーズ
- 薬が多くて、何のために飲んでいるかわからない
- できれば薬を減らしたい
- 副作用(ふらつき・眠気)がつらいので、飲まないことがある
長期目標
- 必要な薬が整理され、本人が納得して服薬できる
- ふらつきや眠気による転倒がない
- 自己判断での中断がなくなり、主治医と相談して決められる
短期目標
- お薬手帳を1冊にまとめ、すべての処方が主治医と薬局で共有される
- 主治医・薬剤師が薬の見直しを行い、本人に説明がある
- 薬ごとの目的を書いた一覧を本人が持ち、飲まなかった薬があれば記録して受診時に伝える
サービス内容
- 薬局(かかりつけ薬剤師):全処方の一元管理、重複・相互作用の確認、主治医への減薬の相談
- 主治医:薬の目的の説明と処方の見直し
- 本人:飲まなかった薬と理由をメモし、受診時に持参する
- 家族・ケアマネ:受診に同行し、本人が言いにくいことを補足する
- 訪問看護:副作用(ふらつき・血圧)の観察と報告
このケースで追加確認したいこと
- 受診している医療機関の数と、それぞれの処方をお薬手帳で把握できているか
- 本人が「飲まない」理由(副作用・必要性への疑問・費用・面倒)
- 薬を減らすことで悪化しうる病気があるか(主治医の見解)
5薬を飲みたがらない(拒薬)・必要ないと思っている
ニーズ
- 本人:薬なんかいらない、体はなんともない
- 本人:苦い・大きくて飲みにくい
- 家族:無理に飲ませて関係が悪くなるのがつらい
長期目標
- 本人が納得できる形で、必要な薬が飲める
- 服薬をめぐる本人と家族の衝突がなくなる
- 病状(血圧・症状など)が安定する
短期目標
- 拒否する理由を聞き取り、主治医・薬剤師と共有する
- 薬の形(粉・液体・貼り薬・ゼリー)や飲む時間を変えて試す
- 飲めた日・飲めなかった日を記録し、傾向がわかる
サービス内容
- 主治医:優先度の高い薬への絞り込み、剤形の変更、本人への説明
- 薬局:服薬ゼリーなど飲みやすくする工夫の提案
- 訪問看護:拒否の背景(症状の自覚のなさ・不安・味覚の変化)のアセスメントと、家族への声かけの助言
- 家族:無理強いせず、飲めた日を記録する。飲まない日は責めない
- 認知症の専門医(該当する場合):認知症による拒否への対応の助言
このケースで追加確認したいこと
- 拒否の理由(必要性を感じない・味や大きさ・過去の副作用の記憶・認知症による理解の難しさ)
- その薬を飲まないとどの程度の危険があるか(主治医が考える優先順位)
- 本人が信頼している人(家族・医師・薬剤師)は誰か、その人の声かけなら飲めるか
6家族が薬を管理しているが、負担が大きい(遠方・同居)
ニーズ
- 家族:毎日電話で確認しているが、飲んだと言われても本当かわからない
- 家族:仕事と介護の両立で、薬の管理まで手が回らない
- 本人:子どもに毎日言われるのは嫌だ
長期目標
- 家族以外の確認者を含めた服薬管理の体制ができ、家族の負担が減る
- 飲み忘れによる体調悪化・入院がない
- 本人と家族が服薬をめぐって言い合わずに済む
短期目標
- 薬局の訪問(居宅療養管理指導)が月1〜2回始まる
- 訪問介護・デイサービスの利用時に服薬確認が組み込まれ、記録が家族に共有される
- 家族の電話確認が毎日から週2回に減る
サービス内容
- 薬局:居宅療養管理指導(訪問での残薬確認・カレンダーのセット)
- 訪問介護:訪問時の服薬確認と、連絡ノートで家族への共有
- デイサービス:昼の服薬確認
- ケアマネ:月1回、家族に服薬状況と体調をまとめて報告する
- 家族:週末の訪問時に1週間分を準備する(または薬局に委ねる)
このケースで追加確認したいこと
- 家族の負担の実態(電話の頻度・かかる時間・仕事や体調への影響)
- 家族が「何を手放したいか」「何は自分でやりたいか」
- 本人が家族以外の人に薬を触られることを受け入れられるか
モニタリング・支援経過の文例
- 一包化とお薬カレンダー導入後1か月。飲み忘れは週1回程度、残薬なし。本人より「袋になって楽になった」と発言。夕食後の分の飲み忘れが多いため、薬局に相談し、夕の薬を朝にまとめられるか主治医に確認予定。
- 訪問介護の記録より、朝の服薬確認は全回実施。ただし訪問のない日曜は本人の自己管理で、翌日にカレンダーに薬が残っていたことが2回あった。家族に日曜の電話確認を依頼し、了承を得た。
- 薬局の訪問で残薬の整理と処方日数の調整が行われ、複数の医療機関からの処方がお薬手帳1冊にまとまった。主治医の判断で1剤減量。ふらつきの訴えは減少している。
- 拒薬は続いているが、訪問看護の助言でかかりつけ医から本人に直接「この薬は続けてほしい」と説明があってから、血圧の薬は飲めるようになった。飲めない日は週2回程度。家族は「無理に飲ませなくなって楽になった」と話す。
- 遠方の長女より「電話確認を週2回に減らせて気持ちが楽になった」と聞き取り。訪問介護の連絡ノートを写真で共有する運用が定着。本人は「毎日言われないほうが気が楽」と話し、服薬状況は安定している。
根拠・参考
- 居宅療養管理指導(薬剤師):薬剤師が居宅を訪問し、薬の管理や服薬の指導を行う介護保険サービス。医師の指示が必要(要確認:算定要件・月の回数上限は最新の報酬改定を確認)
- 高齢者の医薬品適正使用の指針(厚生労働省):多剤服用(ポリファーマシー)への対応の考え方(要確認:総論・各論の最新版)
- 訪問介護での服薬介助の範囲:一包化された薬の手渡し・飲み終えるまでの確認は身体介護として可能。薬の取り出しや調整は薬剤師・看護師の役割(要確認:老計第10号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」)
- 服薬管理のアセスメントは「薬の理解」「取り出し・準備」「飲む動作」「記憶」「意欲」を分けて確認する(要確認:課題整理総括表の「服薬」項目の考え方)
- 一包化・お薬カレンダー・お薬手帳の一元化は、かかりつけ薬剤師・薬局に相談する(要確認:一包化に伴う費用の扱い)
一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)
- 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)(医政発1201第4号)/(その3)(医政発1226第12号)厚生労働省医政局長・令和4年12月1日/令和7年12月26日
- 日常生活自立支援事業パンフレット「ここが知りたい 日常生活自立支援事業 なるほど質問箱」「あなたのくらしのあんしんのために」/厚労省制度ページ/事務連絡「日常生活自立支援事業の適正な実施の徹底について」社会福祉法人全国社会福祉協議会/厚生労働省社会・援護局地域福祉課・パンフ2009・2010年改訂/事務連絡 令和3年12月21日
- 入退院時におけるケアマネジャーの医療機関等との連携・情報収集の手引き株式会社日本能率協会総合研究所(平成28年度老健事業)・平成29年3月
本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。
文例は実務の監修中です。
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更新履歴:2026-10-02 公開(たたき台・監修中)
