
ケアプラン文例 テーマ5
糖尿病のケアプラン文例・記入例|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容と「追加確認したいこと」
執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん))
実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中
法律部分:司法書士・行政書士 確認中
公開 2026-10-02/更新 2026-10-02
どんなときに 主治医から食事・運動・服薬(内服やインスリン)の指示が出ているが、本人だけでは続かない、家族も何をどこまで手伝えばよいか分からない、というときに開かれるページ。低血糖・足の傷・受診中断など「気づいたときには悪化していた」を防ぐ視点で書く。独居/家族同居、インスリンあり/なしで文例を分けている。
この利用者さん用に作る
希望と困りごとを選ぶだけで、ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容のたたき台と「追加確認したいこと」が出ます。AIではなく、このページの文例を組み合わせます。
選ぶだけで作る →総合的な援助の方針(本人・家族の希望別)
| 希望 | 文例 |
|---|---|
| 好きなものを我慢しすぎず、無理のない範囲で食事を続けたい | 主治医・管理栄養士の指示の範囲で、本人の好みを取り入れた食事が続けられるよう、配食サービスと訪問介護の調理支援を組み合わせて支援します。「食べてはいけない」でなく「どう食べるか」を本人・家族と一緒に決めていきます。 |
| インスリン注射や血糖測定を、自分でできる間は自分で続けたい | 訪問看護が手技と記録を定期的に確認し、できている部分は本人に任せ、難しくなった部分だけを家族・訪問看護が補います。本人の「自分でできている」実感を守ることを大切にします。 |
| 低血糖で倒れることなく、安心して一人で暮らしたい | 低血糖のサイン(冷や汗・ふるえ・ぼんやり)と対処(ブドウ糖の場所・連絡先)を本人・関係者で共有し、訪問介護・デイサービス・配食の各事業所が異変に気づいたら速やかに訪問看護・主治医につながる体制を整えます。 |
| 足を切らずに済むように、今の足の状態を守りたい | 訪問看護による足の観察と爪切り、通所での入浴時の足チェック、本人に合った靴の選定を通して、小さな傷の段階で受診につなげます。 |
| 透析にならないように、今の腎臓の状態を保ちたい | 主治医の指示(食事・水分・服薬)が生活の中で守れるよう、受診への同行と検査結果の共有を家族と分担し、変化があれば早めに主治医へ報告します。 |
| 家族に負担をかけずに、受診と薬を続けたい | 受診の送迎と薬の管理を家族だけで抱えず、薬局の一包化・訪問薬剤管理、介護タクシー等を組み合わせ、家族が「見守る役」に専念できる体制を作ります。 |
| (家族)本人が隠れて間食していないか心配。無理なく見守れる方法を知りたい | 家族が本人の間食や血糖値を細かく管理するのではなく、「週1回の体重」「受診結果の共有」など見守るポイントを絞り、管理は専門職が担う分担にします。家族と本人の関係が「監視」にならないよう配慮します。 |
困りごと別の文例(6場面)
- 食事の管理が自分ではできない(独居で調理が負担)
- インスリン注射・血糖測定を自分で続けるのが難しくなってきた
- 低血糖の症状に気づかず、対応が遅れる心配がある
- 足の傷や皮膚のトラブルに気づきにくい
- 運動の習慣が続かず、家で座っている時間が長い
- 受診と内服が途切れがち(家族同居だが日中は独居)
1食事の管理が自分ではできない(独居で調理が負担)
ニーズ
- 自分で作るのがしんどくて、つい菓子パンやお惣菜で済ませてしまう。ちゃんとした食事をとりたい
- 何をどれだけ食べたらいいか分からない。分かりやすく教えてほしい
- 一人で食べるのは味気ない。誰かと一緒に食べる機会がほしい
長期目標
- 主治医の指示に沿った食事が、1日3食のうち2食以上でとれている状態が続く
- 体重が主治医の目標範囲内で安定している
- 週に2回以上、人と一緒に食事をする機会がある
短期目標
- 昼・夕のうち1食を配食サービスで確保し、週5日以上食べきれる
- 訪問介護の調理支援を週2回利用し、翌日分の副菜を冷蔵庫に用意できる
- 冷蔵庫の中身と食べたものを、訪問時に本人と一緒に確認できる
サービス内容
- 配食サービス(糖尿病対応食):夕食を週5日届け、安否確認を兼ねる(自費または市町村事業)
- 訪問介護:週2回、主治医・栄養指導の内容に沿った調理と、食材の買い物代行を行う
- デイサービス:週1〜2回、昼食を他の利用者と一緒にとり、食事量を記録して報告する
- 主治医・管理栄養士:外来栄養指導の内容をケアマネ・訪問介護に共有する(本人同意のうえ)
- 本人:食べたものを簡単なメモ(写真でも可)で残し、訪問時に見せる
このケースで追加確認したいこと
- 現在の食事を実際に誰が用意しているか(本人/家族/宅配)と、その頻度が未確認
- 栄養指導を受けたことがあるか、その内容(エネルギー量・塩分など)を本人が覚えているか
- 歯・義歯の状態や嚥下の問題で「食べられるもの」が限られていないか
2インスリン注射・血糖測定を自分で続けるのが難しくなってきた
ニーズ
- 注射の単位を間違えていないか、自分でも自信がなくなってきた
- 手が震えて針の付け替えがうまくできない。それでも自分で打ちたい
- (家族)打ったかどうか分からなくなることがあり、二重に打っていないか不安
長期目標
- インスリン注射が指示どおりの回数・単位で継続でき、打ち忘れ・重複がない状態が続く
- 血糖測定の結果が記録され、主治医が診察時に確認できている
- 本人が「自分でできている」と感じながら、必要な部分だけ支援を受けられている
短期目標
- 注射後にチェック表へ印をつける習慣が1か月続く
- 訪問看護が週1回、手技(単位の設定・注射部位・針の廃棄)を確認し、問題点が主治医に共有される
- 家族(同居)が、打った時間と単位を本人と一緒にチェック表で確認できる
サービス内容
- 訪問看護:週1〜2回、手技の確認・注射部位の観察・血糖記録の確認と主治医への報告を行う
- 主治医:手技が難しくなった場合の変更(回数の少ない製剤・家族が打つ方法など)を検討する
- 薬局:針や測定器の消耗品の管理を確認し、廃棄方法を本人・家族に説明する
- 家族:注射のタイミングに声かけをし、チェック表を一緒に確認する(管理は本人に残す)
- 本人:チェック表への記入を続け、分からないことは訪問看護に聞く
このケースで追加確認したいこと
- 打ち間違い・打ち忘れが実際に起きているのか、それとも本人の不安だけなのか(記録があるか)
- 視力・手指の巧緻性・認知機能のどれが手技を難しくしているか(原因で対策が変わる)
- 家族が不在の時間帯(仕事など)に注射のタイミングが重なっていないか
3低血糖の症状に気づかず、対応が遅れる心配がある
ニーズ
- 最近ぼんやりすることがあるが、それが低血糖なのか歳のせいなのか分からない
- 一人のときに倒れたらどうなるのか不安。誰かが気づいてくれる仕組みがほしい
- (家族)本人が「大丈夫」と言うので、いつ受診させればいいのか分からない
長期目標
- 低血糖による救急搬送・転倒がない状態が続く
- 本人・家族・関わる事業所が、低血糖のサインと対処を同じ内容で理解している
- 低血糖が起きたときの記録が残り、主治医が薬の調整に使えている
短期目標
- ブドウ糖(または指示された補食)を、本人の定位置(例:居間のテーブル・かばん)に常備できる
- 低血糖が疑われたときの連絡先と手順を書いた紙が、電話のそばに貼ってある
- 訪問介護・デイの職員が、本人のいつもの様子との違いに気づいたら訪問看護に連絡する流れが決まっている
サービス内容
- 訪問看護:低血糖のサインと対処法を本人・家族に説明し、一枚の手順書にまとめて自宅に置く
- 主治医:食事量が減ったときの薬の扱い(シックデイ)について指示を出し、ケアマネ・訪問看護に共有する
- 訪問介護・デイサービス:来所時・訪問時に食事摂取と様子を確認し、いつもと違えば連絡する
- 家族:朝夕の電話で食事をとったかを確認する(同居していない場合)
- 緊急通報装置(市町村事業):一人のときに体調が急変した際の連絡手段として設置する
このケースで追加確認したいこと
- 低血糖時の対応(ブドウ糖の場所・量)を本人・家族が実際に知っているか(口頭で言えるか)
- 過去に低血糖を起こしたことがあるか、あればどんな状況(食事抜き・運動後・薬の変更後)だったか
- 食事を抜きがちな時間帯(朝食を食べない等)と薬の服用時間が合っているか
4足の傷や皮膚のトラブルに気づきにくい
ニーズ
- 足の裏の感覚が鈍く、傷ができても気づかない。足を大事にしたい
- 爪が厚くなって自分で切れない。切ると出血しそうで怖い
- 昔からの靴を履いているが、合っているのか分からない
長期目標
- 足の潰瘍・感染による入院がなく、自分の足で歩ける状態が続く
- 足の小さな傷・水ぶくれが1週間以内に専門職の目に触れ、必要なら受診につながっている
- 本人に合った靴を日常的に履いている
短期目標
- 訪問看護が週1回、両足の観察(傷・発赤・爪・皮膚の乾燥)と記録を行う
- 爪切りを訪問看護(または医療機関のフットケア)に任せ、本人が自分で無理に切らない
- 入浴時に、本人または介助者が足の裏を鏡や目で確認する習慣がつく
サービス内容
- 訪問看護:週1回のフットチェック・爪のケア・保湿を行い、異常があれば主治医に報告する
- デイサービス:入浴時に職員が足の状態を確認し、傷・発赤があれば連絡票で共有する
- 主治医・皮膚科:傷が見つかったときの受診先を決めておく(フットケア外来があれば紹介)
- 本人・家族:新しい靴を買うときは、足に合ったもの(つま先の余裕・靴下着用)を選ぶ。素足で歩かない
- 福祉用具(自費):必要に応じて足に合う靴や靴下の情報を提供する
このケースで追加確認したいこと
- 足の感覚低下(神経障害)が主治医から指摘されているか、本人がそれを知っているか
- 自宅で素足・靴下なしで過ごしていないか、こたつやカイロによる低温やけどのリスクがないか
- 視力低下で自分の足を見ること自体が難しくないか
5運動の習慣が続かず、家で座っている時間が長い
ニーズ
- 歩いた方がいいのは分かっているが、一人だと続かない
- 膝が痛くて長く歩けない。膝に負担のない運動を教えてほしい
- 血糖のために動けと言われると気が重い。楽しみながら体を動かしたい
長期目標
- 週3回以上、20分程度の身体活動(散歩・体操・通所での運動)が続いている
- 主治医が「運動が続いている」と評価でき、薬や食事の指示に反映されている
- 本人が「動くと調子がいい」と感じている
短期目標
- デイケア(または運動型デイ)に週2回通い、休まず続けられる
- 自宅で座ってできる体操を、毎朝5分行える(体操の紙を居間に置く)
- 散歩の前に補食と水分をとることが習慣になる(低血糖の予防)
サービス内容
- 通所リハビリ:週2回、理学療法士が膝に負担の少ない運動メニューを作成し、実施状況を記録する
- 主治医:運動の可否と注意点(運動前後の血糖・足への負担)を指示する
- 本人:自宅で体操の紙を見ながら毎朝行い、できた日にカレンダーに印をつける
- 家族・近隣:週1回、一緒に散歩する相手を決める(家族・友人・地域のウォーキング会)
- 地域包括支援センター:地域の体操教室・通いの場の情報を提供する
このケースで追加確認したいこと
- 運動を止められている状態(網膜症・足の傷・心疾患など)がないか、主治医に確認済みか
- 続かない理由が「意欲」なのか「痛み」なのか「一人だから」なのか(原因で支援が変わる)
- 運動中・運動後の低血糖の経験や不安があるか
6受診と内服が途切れがち(家族同居だが日中は独居)
ニーズ
- 薬の種類が多くて、どれをいつ飲むのか分からなくなる
- 受診の日を忘れて、薬が切れてから気づくことがある。切らさないようにしたい
- (家族)仕事で日中いないので、昼の薬を飲んだか確認できない
長期目標
- 内服の飲み忘れが月に数回以内で、薬が切れることがない状態が続く
- 定期受診が中断せず、検査結果を家族とケアマネが共有できている
- 本人が薬の目的(何のための薬か)をおおまかに言える
短期目標
- 薬局で一包化し、朝・昼・夕を色分けした薬カレンダーに家族がセットできる
- 昼の薬は、訪問介護(または配食の受け渡し時)に声かけをして確認する
- 受診日を家族とケアマネのカレンダーに入れ、前日に家族が本人に伝える
サービス内容
- 薬局:一包化と薬カレンダーのセット方法の説明、残薬の確認(必要なら居宅療養管理指導)
- 訪問介護:週3回の訪問時に昼の薬の服用を声かけで確認し、飲み残しがあれば記録する
- 家族:週末に薬カレンダーをセットし、受診に同行する(難しい月は介護タクシーを利用)
- 主治医:受診が途切れた場合の対応(薬の日数・電話再診の可否)をケアマネと確認しておく
- ケアマネ:受診結果(検査値の変化・薬の変更)を家族から聞き取り、各事業所に共有する
このケースで追加確認したいこと
- 飲み忘れの原因が「忘れる」のか「種類が多くて混乱する」のか「飲みたくない(副作用・気持ち)」のか
- 受診に同行する家族の負担(有給の取りやすさ・送迎の可否)が続けられる範囲か
- 現在の残薬の実態(袋のまま溜まっていないか)を薬局と確認したか
モニタリング・支援経過の文例
- 訪問時、本人より「配食は薄味だが慣れてきた。週5日は食べている」と聞き取り。冷蔵庫に菓子パンの買い置きはなし。体重は前月と同程度で、本人が家で測定し記録している。配食を継続し、訪問介護の調理支援は現状の週2回で継続とする。
- 訪問看護より、インスリンの単位設定は自分で正しくできているが、針の付け替えに時間がかかっているとの報告。手技の変更は現時点で不要と主治医が判断。家族には「急かさず見守る」ことを再度共有した。
- デイサービスより、昼食前にぼんやりしていたため職員がブドウ糖を渡し、その後回復したとの連絡票あり。訪問看護と主治医に報告し、朝食を抜いた日の対応について主治医から改めて指示を受ける。手順書を本人宅の電話横に貼り直した。
- 訪問看護のフットチェックで右足親指に小さな水ぶくれを確認。主治医に報告し、翌日受診。処置により悪化なし。原因として靴の先が当たっていた可能性があり、本人・家族と靴の見直しを行った。
- 通所リハビリの出席は月8回中7回。「膝が楽になった気がする」と本人。自宅の体操は「たまに」とのことで、カレンダーへの印を家族と確認する形に変更した。短期目標は一部達成、継続とする。
根拠・参考
- 日本糖尿病学会・日本老年医学会「高齢者糖尿病診療ガイドライン」(2023年版)。高齢者は低血糖の回避と、認知機能・ADLに応じた目標設定が原則。具体的な目標値は主治医が設定するもので、ケアプランに数値は書かない
- 日本糖尿病学会・日本老年医学会 合同委員会「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」(2016年)。認知機能・ADL・重症低血糖のリスクによる分類の考え方(要確認:最新版の改訂状況)
- シックデイ(食事がとれない日)の薬の扱いは主治医の指示に従う。訪問看護・訪問介護は「食事量が減った」の時点で報告する(対応の判断はしない)
- 介護保険の居宅療養管理指導(薬剤師)は主治医の指示が必要。服薬管理の支援先として薬局と早めに相談する(要確認:地域の薬局の対応可否)
- フットケアは医療機関のフットケア外来・訪問看護での観察が基本。足の傷は「様子を見る」ではなく、見つけた時点で受診につなぐ
一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)
- 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)(医政発1201第4号)/(その3)(医政発1226第12号)厚生労働省医政局長・令和4年12月1日/令和7年12月26日
- 入退院時におけるケアマネジャーの医療機関等との連携・情報収集の手引き株式会社日本能率協会総合研究所(平成28年度老健事業)・平成29年3月
- 地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集 保険外サービス活用ガイドブック厚生労働省・農林水産省・経済産業省・平成28年3月
本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。
文例は実務の監修中です。
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更新履歴:2026-10-02 公開(たたき台・監修中)
