
これ、私がやるの? ケース11
買い物・配食を頼まれた。ケアマネは実行者にならず、続く形を作る
執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん))
実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中
法律部分:司法書士・行政書士 確認中
公開 2026-10-02/更新 2026-10-02
よくある場面 訪問のたびに「帰りにパン買ってきて」「お弁当、あなたが頼んでおいて」。冷蔵庫の中が空に近い。家族は遠方。訪問介護は週1回だけ。

1まず結論
買い物や配食の申込みを自分の手でやるのはケアマネの役割ではなく、「食べ物が途切れない形」をプランで作るところまでがあなたの役割です。すでに毎回になっているなら、代わりが入る日を決めて、そこで区切ります。
2あなたがすること
- 買い物ができない理由の切り分け(外出/運搬/判断/お金)
- 訪問介護の生活援助に「買い物代行」を位置づける(曜日・品目・お金の受け渡し方法を事業所と決める)
- 配食サービス(自治体・民間)の情報を伝え、本人・家族が申し込める形に整える
- 食事の量・内容をアセスメントに残し、必要なら主治医・訪問看護・栄養士と共有
- 「ケアマネが買ってくるのをやめる日」を本人と決め、それまでに代わりを入れる
- お金の扱いが不安な場合は、ケース1(通帳)・ケース13(お金の管理)の視点でも確認
3あなたが抱えなくていいこと
- 訪問のついでに毎回買ってくること
- 本人のお金を預かって買い物し、お釣りを渡すこと(金銭のやり取り)
- 配食・ネットスーパーの契約者・支払者になること
- 買った物の中身の責任(賞味期限・好み・体に合うか)
※「買ってこない」=「食事を放っておく」ではありません。食べ物が途切れる日を作らないことを最優先に、代わりの形が入るまで支援を途切れさせない。
4次に確認すること
- 自治体の配食サービス(見守り付き・栄養管理)の有無と要件。民間の宅配弁当・ネットスーパー・生協の配達エリア
- 訪問介護の生活援助で買い物代行ができる範囲(品目・お金の預かりルール・回数)
- 食事の量と内容の変化、体重・食欲・飲み込みの状態(食べていない日があるなら医療に共有)
5誰につなぐか
| 順 | 先 | 何を |
|---|---|---|
| 1 | 訪問介護(生活援助) | 買い物代行、または一緒に買い物。お金のやり取りは事業所のルールで |
| 2 | 自治体の配食サービス(高齢福祉課・総合事業) | 見守り付き配食。要件・費用は自治体ごと |
| 3 | 地域包括支援センター | 要支援・総合事業の生活支援サービス。買い物支援の地域資源 |
| 4 | シルバー人材センター・社協の有償ボランティア・買い物支援ボランティア | 一緒に買い物に行く・付き添い |
| 5 | 民間の宅配弁当・ネットスーパー・生協の個配・移動販売 | 申込みは本人・家族。本人が電話で注文できるか確認 |
| 6 | 主治医・訪問看護・管理栄養士 | 食べていない・体重減少がある場合の医療的な確認 |
相談先の名前は地域で違います。「お住まいの市区町村名+窓口名」で検索してください。
6相手への伝え方
本人へ:
「帰りに買ってくるのを私が毎回続けるのは、他の方のお宅にも行っているので難しいんです。でも、食べる物に困らないようにするのは私の仕事です。ヘルパーさんの日に買い物をお願いする形と、お弁当を届けてくれるサービスがあるので、どちらが合うか一緒に選びませんか。それが始まるまでの分をどうするかも、今日決めましょう。」
家族へ:
「買い物をケアマネが続けるのは業務の範囲を超えていて、私が来られない週に食べ物が途切れるのが一番心配です。ヘルパーさんの買い物代行と配食サービスで毎週回る形にしたいので、配食の申込みをご家族の名前でお願いできますか。書類の準備はこちらで整えます。」
7記録の残し方
○月○日、訪問時に本人より「帰りにパンと牛乳を買ってきてほしい」と依頼。これまで○回対応していたが、継続はできない旨を説明し、○日までに代わりの手段を入れることで合意。冷蔵庫内は飲料と調味料のみで主食が不足。訪問介護○○に生活援助での買い物代行(週1回・品目リスト方式)を相談。市の配食サービスを説明し、本人「弁当は試したい」とのことで、長男に申込みを依頼(○日連絡予定)。体重・食欲は前回と大きな変化なし。管理者に報告済み。
この記録の文例は、ほかの34場面と並べて記録文例集にもまとめています →
あなたのケースは?
4つの質問に答えると、この記事の線引きが「あなたの答え」に合わせて整理され、相談メモになります。
あなたのケースを3分で整理する →- 買い物ができない理由はどれに近いですか
- 頼まれた中身は
- 訪問介護は入っていますか
- 食事の状況は
8根拠
- 買い物代行・配食の手配は、居宅介護支援の業務に含まれない。訪問介護の生活援助や地域の生活支援サービスの範囲
- 訪問介護の生活援助には「買い物」が含まれる(老計10号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」平成12年3月17日、生活援助「2-6 買い物・薬の受け取り」の区分)。お金の預かり方は各事業所の規程による
- 多くの自治体に配食サービス(見守り付き)がある。名称・要件・費用は自治体ごとに違う
- 食事がとれていない状態は栄養・健康の問題として医療との連携が要る(ケアマネの連絡調整の範囲)
- 厚労省の検討会(介護支援専門員の業務の在り方)で、法定外業務は他の支援につなぐ方向が示されている(厚労省「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」中間整理、令和6年12月12日)
一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)
- 中間整理(本文)※別添「居宅介護支援事業所におけるケアマネジャーの業務について」厚生労働省 ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会・令和6年12月
- 地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集 保険外サービス活用ガイドブック厚生労働省・農林水産省・経済産業省・平成28年3月
- 身元保証等高齢者サポートサービスの利用に関する啓発資料等について(事務連絡)/ポイント集「『身元保証』や『お亡くなりになられた後』を支援するサービスの契約をお考えのみなさまへ」消費者庁消費者政策課・消費者教育・地方協力課・平成30年8月30日
- ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会(第6回)参考資料「ケアマネジメントに係る現状・課題」厚生労働省老健局・令和6年12月2日
- 同上 第2章「身寄りのない高齢者の入院、入所に係る支援の取組事例集」総務省関東管区行政評価局・令和4年3月
本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。
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更新履歴:2026-10-02 公開(試作v1・監修中)
