となりのケアマネさん

これ、私がやるの? ケース8

夜間・休日に家族から電話が来る。ケアマネの線の引き方と切り替え方

執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん)) 実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中 法律部分:司法書士・行政書士 確認中 公開 2026-10-02/更新 2026-10-02

よくある場面 夜10時に本人から「眠れない」「ヘルパーが来ない気がする」。日曜に家族から「今すぐ施設を探して」。携帯の番号を教えたら止まらなくなった。

夜、自宅で部屋着のケアマネが光るスマートフォンを見てはっとしている

1まず結論

夜間・休日にケアマネが電話を受け続けることは業務ではなく、続けるとあなた自身が持ちません。ただし「夜間・休日に電話をかけてくる理由」を減らす仕組みを作るのはあなたの仕事です。緊急時の連絡先をはっきりさせ、不安への対応は日中と他の支援に移します。

2あなたがすること

  • 電話の中身を分ける(緊急/不安/苦情/要求)
  • 「体のことで急なときは訪問看護・かかりつけ・119」「それ以外は翌営業日に事業所へ」を、本人・家族に書面で渡す
  • 事業所の夜間・休日の窓口を管理者と確認し、本人・家族に伝える(自分の携帯は使わない方向へ)
  • 不安・寂しさが理由なら、その背景(独居・不眠・認知機能・服薬)をアセスメントし、主治医・訪問看護・夜間対応のサービスにつなぐ
  • 家族の相談が理由なら、家族の負担をアセスメントし、家族向けの相談先・レスパイトを組む
  • 「日中に話す時間」を先に決める(定期の電話・訪問)ことで、夜の電話を減らす

3あなたが抱えなくていいこと

  • 夜間・休日の電話に出ること(緊急時の判断は医療・救急の役割)
  • 夜間の不安・寂しさを電話で受け止め続けること
  • 「今すぐ」の要求に夜間・休日に応えること
  • 自分の携帯番号を連絡先にし続けること

※「出ない」=「見捨てる」ではありません。緊急の道筋と、日中の相談時間を用意した上で、電話の窓口を整えます。支援は途切れさせません。

4次に確認すること

  1. 事業所の夜間・休日の連絡体制(転送・当番・留守電)と、本人・家族への周知の方法
  2. 訪問看護の24時間対応(緊急時訪問)が入っているか、入れられるか
  3. 夜の電話の背景(不眠・不安・認知機能の変化・家族の疲れ)

5誰につなぐか

順先何を
1自事業所(管理者)夜間・休日の窓口の確認。携帯番号の扱い
2訪問看護(24時間対応)体調の相談・緊急時訪問。夜間の電話の受け先
3主治医不眠・不安の相談、服薬の見直し
4夜間対応型訪問介護・定期巡回随時対応型夜間の見守り・随時対応(地域にあれば)
5地域包括支援センター家族の負担、独居の不安への地域資源
6家族向け相談先(家族会・介護者の相談窓口)家族の愚痴・相談の受け先
7自治体の緊急通報システム・民間の見守りサービス独居の夜間の安心

相談先の名前は地域で違います。「お住まいの市区町村名+窓口名」で検索してください。

6相手への伝え方

本人へ:

「夜にお電話いただいても、私は出られないことが多くて、それだと○○さんが困ってしまいます。体のことで急なときは、この紙の番号(訪問看護・119)にかけてください。眠れないときや不安なときのことは、○曜日の○時に私からお電話しますので、そのときに聞かせてください。」

家族へ:

「休日や夜にご連絡いただくお気持ちは分かります。ただ、私はその時間に動けず、かえってお待たせしてしまいます。緊急のときは○○(訪問看護・救急)、それ以外は翌営業日に事業所へ、という形にさせてください。ご家族のご相談は、月○回の定期の時間を決めて、そこでしっかり聞かせてください。」

7記録の残し方

○月○日、本人より夜間(21〜23時)にケアマネ携帯へ電話が続く(今週3回、内容は「眠れない」「不安」)。緊急でない夜間の電話には対応できない旨を説明し、緊急時の連絡先(訪問看護○○・119)を書面で渡して了承を得る。不眠・不安について○日に主治医へ相談予定。訪問看護に夜間の電話の受け先として共有。日中の定期連絡を毎週○曜○時に設定。連絡先を携帯から事業所番号へ切り替えることを管理者と確認(○日から)。管理者に報告済み。

この記録の文例は、ほかの34場面と並べて記録文例集にもまとめています →

あなたのケースは?

4つの質問に答えると、この記事の線引きが「あなたの答え」に合わせて整理され、相談メモになります。

あなたのケースを3分で整理する →
  • 電話の中身はどれが多いですか
  • 頻度は
  • かけてくるのは
  • 事業所の夜間・休日の窓口は

8根拠

  • 居宅介護支援に、ケアマネ個人による24時間の連絡対応は含まれない(事業所として夜間の連絡体制を定める場合がある。運営基準・事業所の規程を確認)
  • 特定事業所加算を算定する事業所は、24時間連絡がとれる体制と、必要に応じて相談に対応する体制を確保することが要件になっている(令和6年度介護報酬改定資料)。これは事業所として(当番制など)整える体制で、担当ケアマネ一人が毎晩受け続けることを求めるものではない。体制の具体的な形(携帯電話の当番など)は解釈通知と事業所の決まりを確認
  • 緊急時の医療対応は訪問看護(緊急時訪問看護加算など)・主治医・救急の役割
  • 夜間対応型訪問介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護は、夜間の随時対応を担う地域密着型サービス
  • 自治体の緊急通報システム(名称・要件は自治体ごと。要確認)
  • 労働時間・休息の観点(事業所の就業規則。ケアマネ自身の健康を守る根拠)

一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)

本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。

更新履歴:2026-10-02 公開(試作v1・監修中)