となりのケアマネさん

これ、私がやるの? ケース15

毎日の見守り・安否確認を頼まれた。ケアマネが担わずに続ける仕組み

執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん)) 実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中 法律部分:司法書士・行政書士 確認中 公開 2026-10-02/更新 2026-10-02

よくある場面 遠方の家族から「毎朝電話して生きているか確認して」「様子を見に寄って」。本人から「誰も来ない日が不安だから毎日電話して」。訪問介護は週2回。先月転倒した。

遠くに住む娘がビデオ通話で毎日の見守りを頼み、ケアマネが考えている

1まず結論

毎日の電話・訪問をケアマネが担うのは役割ではなく、続けると他の利用者の支援に穴が開きます。ただし「誰も気づかないまま日が過ぎる」状態を作らないことはあなたの仕事で、見守りの網(サービス・機器・地域・家族)をプランで組むところまでがあなたの役割です。

2あなたがすること

  • 見守りが要る理由の切り分け(身体の急変/認知症のリスク/孤立/家族の不安)
  • 今の支援で「誰とも接触しない日」が週に何日あるかを数える(曜日表にする)
  • 空いている日を埋める組み立て(訪問介護・通所・訪問看護・配食の安否確認・緊急通報装置・地域の見守り)
  • 緊急時の連絡の流れを決めて共有する(誰が気づく→誰に連絡→誰が駆けつける)
  • 家族の不安の中身を聞き、家族自身ができる見守り(毎朝の電話・センサー・カメラ)を提案する
  • 本人の意向(見守られたいか)を確認し、嫌がる場合は本人の尊厳と安全のバランスを記録に残す

3あなたが抱えなくていいこと

  • 毎日の電話・訪問
  • 業務時間外・休日の安否確認
  • 「何かあったときの第一発見者」を引き受けること
  • 家族の安心のために毎日報告すること

※「毎日はしない」=「気にかけない」ではありません。見守りの網が組めるまでの間も支援を途切れさせず、空いた日をどう埋めるかを先に決めます。

4次に確認すること

  1. 週の曜日表で「誰も来ない・誰とも話さない日」が何日あるか
  2. 自治体の見守り事業(緊急通報装置・配食の安否確認・見守り訪問・民生委員)の有無と要件
  3. 緊急時に駆けつけられる人(家族・近隣・鍵の預け先)がいるか

5誰につなぐか

順先何を
1自治体の高齢福祉課(緊急通報システム・見守り事業)緊急通報装置の貸与、配食の安否確認、見守り訪問。要件は自治体ごと
2地域包括支援センター総合事業の見守り、地域資源の情報、民生委員との連携
3訪問介護・通所・訪問看護(既存サービスの頻度の調整)空いている曜日を埋める。通所は日中の見守りにもなる
4民生委員・自治会・地域の見守りネットワーク(新聞・郵便・電気・ガス事業者の見守り協定)地域での気づき
5家族毎朝の電話、センサー・カメラの設置、鍵の管理
6民間の見守りサービス(電話・センサー・カメラ・電気ポット・宅配の声かけ)家族が契約。費用は家族負担

相談先の名前は地域で違います。「お住まいの市区町村名+窓口名」で検索してください。

6相手への伝え方

本人へ:

「毎日お電話することは、私自身にはできないんです。でも、○○さんが誰にも気づかれないまま何日も過ぎる、ということがないようにするのは私の仕事です。今、月・水・金はヘルパーさん、火は配食の方が来ます。木と土日が空いているので、そこを埋める方法を一緒に考えましょう。」

家族へ:

「毎朝の確認をケアマネが続けることはできないのですが、ご心配は分かりますので、『毎日誰かが気づける形』を作りたいと思っています。今、週2日は誰も来ない日があります。市の緊急通報装置と配食の安否確認、それから可能ならご家族の毎朝の電話かセンサーで、7日全部に見守りが入る形にしませんか。緊急のときの連絡の流れも決めておきましょう。」

7記録の残し方

○月○日、長男(遠方)より電話で「母に毎朝電話して安否確認をしてほしい」と依頼あり。理由は先月の転倒と独居の不安。ケアマネが毎日の安否確認を行うことはできない旨を説明し、見守りの網を組むことで合意。現在の支援は訪問介護(月・水・金)、通所(火)。木・土・日が接触なし。市の緊急通報装置の申請を案内し(長男が申請、○日予定)、安否確認付きの配食サービスを木・土・日に検討。長男は毎朝の電話を行うとのこと。緊急時の連絡の流れは、長男→ケアマネ→訪問介護の順で共有。本人は「誰かが来てくれるのは安心」と了承。管理者に報告済み。

この記録の文例は、ほかの34場面と並べて記録文例集にもまとめています →

あなたのケースは?

4つの質問に答えると、この記事の線引きが「あなたの答え」に合わせて整理され、相談メモになります。

あなたのケースを3分で整理する →
  • 誰から、何を頼まれましたか
  • 見守りが要る理由はどれに近いですか
  • 今入っている支援の頻度は
  • 本人は見守りを望んでいますか

8根拠

  • 毎日の安否確認は居宅介護支援の業務に含まれない。ケアマネの役割はモニタリング(少なくとも月1回の面接。原則は自宅への訪問で、条件を満たせば訪問を2か月に1回にして、訪問しない月はテレビ電話等で面接できる。運営基準第13条第14号)と、必要なサービスの調整
  • 多くの自治体に緊急通報システム・見守り訪問・配食による安否確認などの見守り事業がある。名称・要件は自治体ごとに違う
  • 地域の見守りネットワーク(民生委員・事業者・住民による見守り)は、多くの市町村が包括と組んで作っている。徘徊時の捜索などは行政・包括・民生委員と連携して対応する例として、国の検討会の中間整理(令和6年12月12日)の別添にも挙げられている
  • 民生委員は、住民の生活の状態を必要に応じて把握し、生活の相談に応じて助言や援助を行う(民生委員法第14条)。地域の見守り活動の担い手の一人
  • 厚労省の検討会(介護支援専門員の業務の在り方)で、法定外業務は他の支援につなぐ方向が示されている(厚労省「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」中間整理、令和6年12月12日)

一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)

本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。

更新履歴:2026-10-02 公開(試作v1・監修中)