となりのケアマネさん

これ、私がやるの? ケース4

身元保証人になってと言われた。なれない理由と、入院・入所を止めない方法

執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん)) 実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中 法律部分:司法書士・行政書士 確認中 公開 2026-10-02/更新 2026-10-02

よくある場面 独居で家族がいない(または疎遠な)利用者の入院・施設入所。病院や施設から「身元保証人の欄、ケアマネさんのお名前でいいですか」。本人からも「あなたしかいない」。

病院の受付で空欄の書類を差し出され、ケアマネが首をかしげて考えている

1まず結論

身元保証人にケアマネがなることはできません(個人としても事業所としても)。ただし「保証人がいないから入院・入所できない」を放置しない。国は、保証人がいないことだけを理由に入院・入所を断らないよう求めています。あなたの役割は、「保証人の欄に何が求められているか」を分解して、それぞれの担い手を決めるところまでです。

2あなたがすること

  • 「身元保証人」の中身を分解して病院・施設に確認する(緊急連絡先/支払い/引き取り/同意)。ひとまとめに求められているだけのことが多い
  • 病院の医療相談室(MSW)・施設の生活相談員に「保証人がいない場合の受け入れの手順」を聞く
  • 緊急連絡先を事業所で受けられるか、事業所の方針を管理者に確認して伝える
  • 支払いの見通し(年金・預貯金・生活保護)を確認し、社協の日常生活自立支援事業や後見等の支援につなぐ
  • 親族の有無を確認する(本人の話。戸籍での調査が要るなら市町村へ)
  • 入院・入所のあとも、退院調整・モニタリングなど連絡調整の役割を続ける

3あなたが抱えなくていいこと

  • 保証人欄への署名(連帯保証・引き取り・同意を含む)
  • 支払いの立て替え
  • 医療行為への同意(本人以外が代わりにできるものではない)
  • 退院・退所時の引き取り、亡くなったときの遺体・遺品の引き取り

※「なれない」=「入れない」ではありません。保証人がいなくても入院・入所できる道筋をつけるまでが役割で、連絡調整役としての支援は入院・入所の後も続きます。

4次に確認すること

  1. 病院・施設が「保証人がいない場合」にどう受け入れているか(緊急連絡先+支払い方法の確認で可、など)
  2. 支払いの見通し(年金額・預貯金・生活保護の有無)
  3. 本人が契約・説明を理解できるか(後見等の支援が要るか)

5誰につなぐか

順先何を
1病院の医療相談室(MSW)/施設の生活相談員保証人がいない場合の受け入れ手順。緊急連絡先・支払い方法の代替
2地域包括支援センター身寄りがない人の支援全体、権利擁護、後見の入口
3市町村(高齢福祉・生活保護担当)親族調査、生活保護、市長申立て
4社会福祉協議会(日常生活自立支援事業)支払いの代行(本人が契約できる場合)
5権利擁護センター・弁護士会・司法書士会後見等の申立て、財産の管理が要るとき
6民間の身元保証・終身サポート事業者本人が費用を負担できる場合。内閣府のガイドラインに沿った事業者かを確認

相談先の名前は地域で違います。「お住まいの市区町村名+窓口名」で検索してください。

6相手への伝え方

本人へ:

「保証人の欄に私の名前を書くことはできないんです。保証人はお支払いなどの責任を個人で負うことになるので、ケアマネがお引き受けできるものではありません。でも、保証人がいないと入れない、ということにならないように病院と話をします。急なときの連絡先は私(事業所)でよいか確認して、お支払いの方法も一緒に整えましょう。」

病院・施設へ:

「ケアマネは身元保証人にはなれない決まりになっています。ただ、○○さんの緊急連絡先としては私(事業所)が窓口になれます。お支払いは年金と社協の仕組みで、退院後の受け入れ先の調整は私が担います。保証人がいない場合の受け入れの手順を、相談室と一緒に確認させてください。」

7記録の残し方

○月○日、○○病院(相談員○○氏)より入院にあたり身元保証人の記入を求められる。ケアマネ・事業所は身元保証人になれない旨を説明し、了承を得る。保証人に求める内容を確認したところ、緊急連絡先・支払い・退院時の調整の3点。緊急連絡先は当事業所で可(管理者確認済み)。支払いは本人の年金で見込みあり、社協の日常生活自立支援事業を本人に説明し、○日に社協へ連絡予定。退院時の調整はケアマネが担うことで病院と合意。包括○○にも共有。管理者に報告済み。

この記録の文例は、ほかの34場面と並べて記録文例集にもまとめています →

あなたのケースは?

5つの質問に答えると、この記事の線引きが「あなたの答え」に合わせて整理され、相談メモになります。

あなたのケースを3分で整理する →
  • 誰から頼まれましたか
  • 求められている中身はどれに近いですか
  • 家族・親族はいますか
  • 本人は、入院・入所の契約や説明を理解できますか
  • いつまでに必要ですか

8根拠

  • 身元保証はケアマネの業務(居宅介護支援)に含まれず、個人が引き受けると連帯保証などの法的な責任を負う
  • 国は、身元保証人がいないことのみを理由に入院・入所を拒まないよう医療機関・施設に求めている(入院:厚労省医政局医事課長通知「身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて」平成30年4月27日 医政医発0427第2号/入所:厚労省老健局通知「市町村や地域包括支援センターにおける身元保証等高齢者サポート事業に関する相談への対応について」平成30年8月30日 老高発0830第1号・老振発0830第2号)
  • 厚労省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」(令和元年6月。医政総発0603第1号で発出)
  • 内閣官房・内閣府・金融庁・消費者庁・総務省・法務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(令和6年6月)で、民間事業者の契約・費用・預託金の扱いの考え方が示されている
  • 医療行為への同意は本人以外が代わりに行えるものではないとされる(後見人にも医療同意の権限はないとされる。厚労省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」)
  • 自事業所の運営規程・就業規則(保証人・連帯保証の禁止)を確認

一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)

本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。

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更新履歴:2026-10-02 公開(試作v1・監修中)