となりのケアマネさん

これ、私がやるの? ケース28

郵便物・宅配便の受け取りを頼まれた。保険外で対応しうる業務の整理

執筆:石田竜生(作業療法士・介護支援専門員資格(株式会社おふとん)) 実務の監修:主任介護支援専門員(大阪府・経験11年) 監修中 法律部分:司法書士・行政書士 確認中 公開 2026-10-02/更新 2026-10-02

よくある場面 「ポストの中、取ってきて」「これ、帰りに出しといて」。訪問のたびに郵便受けの確認と書類の取り出しが定番になった。宅配の不在票、書留の再配達、「中身も読んで」。断るほどのことでもない気がして、気づけば郵便係になっている。

あふれた郵便受けを指して受け取りを頼むおばあさんと、困った笑顔のケアマネ

1まず結論

郵便・宅配便の発送・受取は、国の整理で「保険外サービスとして対応しうる業務」に例示されています。つまり「してはいけない」ではなく、ケアマネの法定業務ではないので「誰が、どういう形で担うか」を決めるのがあなたの役割です。訪問のついでに一度取ってくるのと、毎回の郵便係・書留のサイン・中身の管理は、別のものとして分けます。

2あなたがすること

  • 「できない理由」を切り分ける(運べない/読めない/気づかない/不在)
  • 訪問のついでに一度取ってくるのは、あなたの判断で(「今日はいいですよ。ただ毎回は難しいので、続く形を決めましょう」)
  • 続く形を組む:訪問介護の訪問日に郵便受けの確認・投函を組み込めるか(事業所と要確認)/郵便局・宅配業者の配達の相談(受け取り方・日時指定・置き配など)/家族への転送/自費サービス
  • 「読めない・気づかない」が理由なら、期限のある重要書類(年金・介護保険・税・督促・裁判所)が滞っていないかを確認し、代読・手続きの支援先へ(→ケース10)
  • 事業所が保険外サービスとして受けるか、受けるならどの範囲・料金かを管理者に確認する

3あなたが抱えなくていいこと

  • 毎回の郵便係(訪問のたびの郵便受け確認・投函)
  • 書留・宅配便への受け取りサイン(本人の代理になる)
  • 郵便物を開封して中身を管理すること(お金・契約に関わる書類は特に)
  • 郵便物の紛失・遅れの責任

※「郵便係はしない」=「郵便が止まる」ではありません。届く・出せる仕組みができるまで、支援を途切れさせません。

4次に確認すること

  1. 訪問介護の生活援助で郵便受けの確認・投函ができるか(事業所とプラン上の位置づけ。要確認)
  2. 滞っている重要書類(期限のある通知)があるか
  3. 郵便局・宅配業者の配達の変更(受け取り方・日時・受取場所)が本人の状況に合わせられるか

5誰につなぐか

順先何を
1訪問介護(生活援助)訪問日の郵便受け確認・投函・仕分けの手伝い。範囲は事業所と確認
2郵便局配達の相談(受け取り方・書留の受け取り・転送)。手続きは本人か家族
3宅配業者置き配・日時指定・営業所受け取り。家族が設定できるものも
4家族重要書類の送付先を家族にする。代理での受け取り
5社協の有償ボランティア・シルバー人材センター・自費の生活支援投函・受け取りの定期支援
6地域包括支援センター(要支援・総合事業)総合事業の生活支援
7事業所の保険外サービス(あれば)事業所として料金と範囲を決めて受ける場合

相談先の名前は地域で違います。「お住まいの市区町村名+窓口名」で検索してください。

6相手への伝え方

本人へ:

「今日はポストの分、お持ちしますね。ただ、毎回私が取りに行くのは難しいので、これから困らない形を決めさせてください。ヘルパーさんの来る日にポストを見てもらえるか聞いてみます。書留や宅配は、○○さんが受け取りやすい時間に来てもらえるように、郵便局に相談してみましょう。」

家族へ:

「お母様から郵便のことを頼まれることが増えてきました。私が毎回受け取ったり投函したりするのは業務の範囲を超えるので、ヘルパーさんの訪問日に組み込むことと、大事な通知はご家族に届く形を考えています。年金や保険の通知など期限のあるものは、ご家族に転送されると安心です。書留の受け取りサインは私にはできないので、受け取り方を郵便局に相談していただけますか。」

7記録の残し方

○月○日、訪問時に本人より「ポストの郵便を取ってきて、帰りにこの手紙を出してほしい」と依頼。理由は膝の痛みで玄関先まで行きづらいこと。本日は郵便受けの確認と投函を対応。ケアマネが毎回対応することはできない旨を説明し、○日までに続く形を決めることで合意。訪問介護○○に、訪問日の郵便受け確認を生活援助の範囲でできるか確認(○日回答予定)。期限のある通知は本人と一緒に確認し、介護保険の更新通知(○日期限)は長女へ連絡済み。宅配の受け取りは長女が日時指定に変更する方向。管理者に報告済み。

この記録の文例は、ほかの34場面と並べて記録文例集にもまとめています →

あなたのケースは?

4つの質問に答えると、この記事の線引きが「あなたの答え」に合わせて整理され、相談メモになります。

あなたのケースを3分で整理する →
  • 頼まれた中身はどれに近いですか
  • 自分でできない理由は
  • 頻度は
  • 訪問介護は入っていますか

8根拠

  • 厚労省「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」(令和6年12月)の別添で、「郵便・宅配便等の発送、受取」は②保険外サービスとして対応しうる業務に例示されている。対応例は「保険外サービスとしてケアマネが対応、または他の地域資源につないで対応」
  • 居宅介護支援の法定業務(アセスメント・ケアプラン・連絡調整)には含まれない
  • 訪問介護の生活援助の範囲は老計10号(平成12年3月17日 老計第10号)。郵便物の取り扱いは、事業所とプラン上の位置づけで判断する
  • 書留等の受け取りは受取人本人か、受け取りの権限のある人(郵便局に確認)。代理での受け取り・開封は本人の代理行為になる
  • 事業所が保険外サービスとして受ける場合は、料金・範囲を運営規程等で定めておく(要確認)
  • 参考:あるある収集 #20(郵便・宅配便の受け取りと投函を頼まれる) https://kaigo-postseven.com/171685 / https://www.heartpage.jp/contents/news/01-01204 / #21(訪問のたびに郵便受けの確認と書類の取り出し) https://healthrent.duskin.jp/column/caremanagement/practice/08/

一次資料(リンク先を実際に開いて確認済み)

本文の「要確認」は、上の資料で確認し次第、表記を確定します。

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更新履歴:2026-10-02 公開(試作v1・監修中)